2019-10-24 19:00-20:30 北國新聞文化センター 写真教室 | 講師 清水梅子
カメラの基礎知識、基本的なことについて、第17回ではカメラの種類、構造、ISO感度について説明をしました。
今回は絞り値についての説明ですが、その前にざっくりと復習、そして説明しきれなかったことを書きますね。ただ、一応復習なので、内容が重複しますが必要なければ読みとばしてください。
カメラの構造
一眼レフカメラの特徴は、何と言っても撮影したい映像を、ファインダーで見られることです。
「レフ」というのは「レフレックス(reflex)」の略です。光を反射するという意味ですね。
光を反射するミラーが「レフ」の役割を果たしているので一眼レフといい、ミラーレスは鏡がないという意味です。
デジタル一眼レフカメラの電源を切ったままでも、レンズキャップを開けてファインダーを覗くとちゃんと景色が見えます。光学ファインダーだからみることができるんですね。
また、ペンタプリズムのおかげで、被写体をファインダーでのぞいた時に見えたままの景色で見ることができます。
光は、レンズを通ってミラーに当たって、ファインダースクリーンに当たって、ペンタプリズムを通過してファインダーへ進みます。
撮影用したい景色を光学ファインダーでダイレクトに見ることができます。
シャッターボタンを全押しするとミラーが上がり、レンズを通った光はシャッターへとまっすぐに進みます。それと同時にシャッターが開き、撮像素子に光が当たり、画像を撮影します。そして、シャッターが閉じると、またミラーが元の位置まで降りてきます。
ポロプリズム
本当は、ペンタプリズムを使いたかったけど手元にあるプリズムがこれだったんで。。。
双眼鏡の接眼部を分解すると、接眼部にこのような形のプリズムが2つずつ使用されていることがわかります。2つないとポロプリズムとしては成立しないんだけど、ポロプリズムのうちの1つです。ポロっていうのはイタリアのポロという人の名前から来ています。プリズムそのものに色々な種類があると言うことや光路をコントロールする時に使うと言うことを知って欲しかったのでプリズムにレーザーポイントを当ててみました。
赤いレーザーの光路が見やすくなるようにわざと暗くしています。
光を当てている方向とは全く違う方向に屈折しているのがよくわかります。
実際にカメラにレーザー光を当てると、、、
では次に、レンズから通った光は最終的にファインダーに届くのですからファインダーからレーザー光をあてるとどうなるかと言う実験です。
まあ、こうなります。
ペンタプリズムはペンタと言うくらいだから五角形の形をしています。5角柱7面体のプリズムがカメラの一番上の出っ張ったところに入っているのです。
機種によって違うプリズム
また、カメラによっては「ペンタプリズム」じゃなくて「ペンタダハミラー」を使っているものもあります。
ペンタダハミラーの方が軽く安価なので、お手頃価格のカメラによく使われています。粗悪品という意味ではありませんので、ペンタプリズムじゃないからといって、がっかりしないでください。見え味は、ペンタプリズムに劣るけれど軽いというメリットがあるから多く使われているのです。
受講生のみなさんが使用しているカメラの機種を使用プリズムで分けてみますね。
ペンタプリズムを使用しているカメラ
Nikon D610 アイレベル式ペンタプリズム使用一眼レフレックス式ファインダー
Nikon D750 アイレベル式ペンタプリズム使用一眼レフレックス式ファインダー
Nikon D7500 アイレベル式ペンタプリズム使用一眼レフレックス式ファインダー
Canon EOS 6D ペンタプリズム使用、アイレベル式
Canon EOS60D ペンタプリズム使用、アイレベル式
ペンタダハミラーを使用しているカメラ
Canon EOS Kiss9 ペンタダハミラー使用、アイレベル式
電子ビューファインダーを使用しているカメラ
FUJIFILM FINEPIX S100
SONY α6000
電子ビューファインダーが別売りのカメラ
NEX-5R
Panasonic DC-GF9W
OLYMPUS PEN Lite E-PL7
ファインダーの種類
光学ファインダー
OVF (Optical viewfinder)
電子ビューファインダー
EVF (electronic viewfinder)
一眼レフとミラーレスの重量の違い
これで、みなさんはどうしてミラーレスがあんなにコンパクトになるかということがちょっとは理解できたのではないでしょうか。ペンタプリズムもミラーもありません、その分、小さく薄く作ることができますよね。それにそれらがない分軽くできます。
まとめ
普段は気にすることのないプリズムという存在ですが、こうして見るとプリズムには色々な種類があることがわかります。また、光路を曲げるために使っていることがわかります。
ファインダーについては、電子ビューファインダーが必要なのかどうかを考えさせられます。仕組み的にファインダーが必要のないミラーレスでもわざわざファインダーを別売りしているのには何か理由があるんだと思います。
私が個人的に思うことを書きますね。ファインダーがあった方がカメラを持つ時に脇が閉まり、ブレにくくなるような気がします。そのため、ファインダーをわざわざつけるユーザーがいるのかなと思いました。また、野外の撮影なんかではモニターが見えにくいです。そんな時も、EVFが便利です。需要があるのかな、と思います。いままでファインダーなんて使ったことがないわという人もファインダーを使うことで「カメラやってます!」感や、「写真撮ってる」感が得られて気分が上がるという人もいるようです。無理にオススメはしませんが、ファインダーがついているならぜひ使ってみてはいかがでしょう。
◆北國新聞文化センター 写真教室 | イオンタウン野々市教室 (石川県野々市市白山町4−1)◆
講師: フォトグラファー 清水梅子社会人の方がお仕事の帰りに学べる、19:30から21:00までの夜間講座です。「1眼レフを買ってみたものの、使い方がよくわからない」「こんな風に撮りたいのに、どうやったら撮れるの?」という悩みを抱えていらっしゃる方から「グループレッスンでみんなと一緒に学んでいくのが好き」という方など、受講動機は様々です。座学では、カメラの仕組み、レンズの特徴、構図の撮り方、色のこと、たくさん学ぶべき内容があります。夜間なので、課題(宿題)に取り組んでいただき、発表や仲間が撮影したものを鑑賞・そして講評などで知見を深めていく講座です。体験、ご参加、お待ちしております。
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