2022-05-26 19:30-21:00
みなさんこんにちは。今回は、ネイチャーフォトで大切なことpart2ということで、結局ネイチャーフォトって何?
その具体的なところで講座が終わり、その続きからとなっています。
ネイチャーフォトの範疇
前回の講座では、受講生達に「ネイチャー」という言葉からその言葉に囚われたイメージを写真に当てはめてもらいました。
その中から、いろんな意見がありました。
「全部ネイチャーフォトでいいと思います」という方も入れば
「人工物が入っていない方が良い気がする」という意見もありました。
撮影をするときに、「前提」は知っておきたいので、ここはとても大切な部分と言えます。
ですが、「ネイチャーフォト」のジャンルであるフォトコンテストなどで入選している写真は、一体、どういう場所で撮影されたものなのでしょうか?
人造湖、植林はネイチャーじゃないの?
こちらのアイフォンで撮った写真をご覧ください。
綺麗な水の色です。実際も青々として、吸い込まれそうでした!
北海道にある有名な「青い池」。この青い池はネイチャーフォトコンテストでも入選率が高く、人気の池です。けど、人造湖です。それならダム湖もOKだよね。
人が手を加えていない場所で、撮影が気軽にできるなんて、ほとんどないような気がします。昔は誰も管理していなかったであろう知床は、今や高級な観光地。ガイドをつけるのが必須となっていますし、ヒグマ対策(安全対策)のために木道を打ち込んで電気柵を作っています。
カズワンでそれどころじゃないけど。。。
ポイントは、写真でどう見せるか
人造湖かどうかっていうことが、その写真を見ただけでわかるのかどうか。
ここがポイントのような気がします。
ネイチャーを感じさせるように撮ることが大切なのでしょう。
植林は、人が木を植えた森です。でもそれを、自然じゃないと言えるのかどうか。木を植えたのは人だけど、育っていくのは自然の力がほとんどです。
鮭の孵化場というものが、北海道にはたくさんあります。最西位の孵化上は、石川県の手取川周辺にあります。人工孵化をさせるけど、数ヶ月飼育したら川に放流です。数年間は自力で海を渡り、生まれた川に戻ってくるのです。その間、弱って死ぬものもいれば3年で帰らず5年後に帰るものもいます。または誰かに釣られて食べられるとか、釣られそうになって大きな釣り針がかかったけど、自力で釣り糸を切るほど暴れ、体に釣り針を引っ付けた状態で遡上する強い鮭もいます。
ほとんどが、自然の力で生きていたと言えます。
野生と自然はちょっと違う
造花を撮影して、ネイチャーフォトっていうのはそれは嘘だと思う。
近所を散歩していて、市で管理されているであろう植物に、蝶が卵を産みつけにやって来た時。その瞬間を撮れたとしたら、それは立派なネイチャーフォトだろう。
場所がどうであれ、レンズや角度を工夫してネイチャーに見えるように撮ることが写真を撮る人の課題だと思う。こんなふうに撮れば、まるで大草原のように見える。とか、映像では誤魔化せないことをスチールではできる。
どこを切り捨てて、どこを残したいかってこと。
見たその風景を、どう写真に残したいのかということ。
撮りたいように撮ったらいいと思う、この時にネイチャーフォトかどうかの概念に囚われすぎると写真に迷いが反映するから
意識しすぎずに、「いいな」と感じたまま、撮ればいいと思う。
電線が悪者に
風景写真で、結構足を引っ張るのは電線。フォトショップで電線を消すというのはよくあることです。
確かに、本当はない方がいいと思う。その風景を見たいのに、電線が青空を邪魔するように撮影したとしたら邪魔に思う。
でも、うまく電線を回避しながら撮影するか、電線を風景に生かすか。そこは考えて撮ったらいいと思う。
電線は、人の生活には欠かせない。それをネイチャーフォトの都合如きで排除するわけにはいかないのである。
さて、強引にまとめると、皆さんが持って来てくださったこれらの写真は、全部ネイチャーフォトです。
ネイチャーフォトで大切なこと
さて、ネイチャーフォトの概念がなんとなくわかったところで、大切なことってなんだろうね。という部分について考えていきましょう。
写真を撮るときの、大体の手順を受講生みなさんに思い出してもらいました。
これはね、人それぞれで、どれがダメで悪い問うことは一切ありません。
人によって、撮る順番や優先するものが変わってくるからです。
また、所有しているレンズやカメラの組み合わせによっても変わります。
例えば、カメラもレンズも1つのみしか使わない人。そういう人は、レンズ交換の手順が不要です。そのため、優先する順位としては重要視するものではなくなります。
また、現地についてから撮るものを探す人もいれば、取りに行く前から、ここでどう撮るかを準備してきたかによっても手順は変わっってきます。人それぞれなのです。
ネイチャーフォトで優先すべきものとは?
この中で、どれを優先したら良いのでしょう。
設定
設定は、最悪オートでも上手く撮れる場合もある。
構図とピント
カメラの機種にも撮るけれど、ピントは後から変えることができないので。。。
構図は、トリミングすることができるが違和感のある構図になったり歪んだりもしてある程度はそのまま使えるように構図を考える必要がある。
タイミング
タイミングって、発見できなかったらもうその瞬間をとらえることができないので重要です。
ネイチャーフォトで大切なもこととは?
実は前回の講座で、受講生の中でこんなことを言ってくれた方がいます。
「1秒1秒の変化を逃さない」
つまり、タイミングです。
自然界におけるタイミングを見逃さずにとらえること。それが最も重要なのです。
例えば皆既日食は、皆既と言われる時間はたったの数十秒です。その現象を、観察するか、撮影するか、スケッチをするか。みなさんは、どれを選びますか?
「撮りたいし、みたい!」
二つできればいいけれど、そのためにはちゃんと撮影ができる状態でなければまともな写真にはなりません。
だから、アマチュア天文写真家というのか天文愛好家たちというのかわかりませんけど、天文を愛する人たち(天文ファンで、いいか)は日頃そういう訓練や練習をしています。機材を出す練習をしたり、観測したりして、その現象や光かた、色、明るさを隈なく見て、気象条件によって見え方が変わったり、見る場所、季節によっていろいろなものが変化していくということを、よく知っています。
日頃から、そう言うことをしているから、いざという天体ショーでも慌てることなく綺麗な写真をイメージセンサーに焼き付けることができるのです。
話がそれましたが、ネイチャーフォトと言うのだから、何かしらのネイチャーを思わせてくれるような写真を撮ることが大切です。
例えば、それは光にあると思います。
太陽が雲に隠れて、でも雲間から太陽が出た途端、目の前の風景が突然神々しく感じたことがありませんか?
実際に、神々しいものですww
以下は、講座で使ったパワポ資料の一部です。
オリジナリティが大事。観光地では、観光地すぎる写真は撮ってもいいけど自慢にはならない。
自分が納得のいく、オリジナリティあふれる作品を撮ってください。
さて、次回は課題です。
2022/06/30 第76回 課題発表 テーマは”Landscape with rain”
2Lサイズにプリントアウトして、作品をご持参ください。
ネイチャーだとか、風景だとかいう言葉の概念は無視してくださればいいです。
「雨」がテーマなんだけど、「雨」とか「Rain」だけだと、なんかカッコつかないから、こういうテーマにしただけだから、お気軽に。
雨を感じさせてくれる写真、楽しみにしています♪
ささやかな景品も用意しますが、期待はしないでください。
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