2023-03-09 19:30-21:00
こんばんはー。
今日は、今まで頑張って取り組んできた課題作品の感想など発表していただきます。
その後、講師から講評も。
課題であり作品でもある
色々な写真を撮ってきましたが、2022年から23年の間、受講生たちが触ってきたカメラは、インスタントカメラなどのトイカメラ。リアルタイムで現像されていくその変化を目の当たりにして、デジタルカメラとはまた違った世界に触れてきました。
皆さん、とっても上手に撮るのです。チェキでこんなに撮れるのだからネガフィルムなら余裕で撮れる。ポジでも撮ることができるだろうと思います。
ですが、フィルムの一眼レフを用意できずレンズ付きフィルムで取り組んでいただくことにしました。
急遽決まったため、初めてのフィルムカメラで作品を撮って完成させるという挑戦をした受講生たちを讃えたいですね。
作品の感想
DAYというストーリー仕立ての「組写真風」にして発表しようという流れになりました。
人によって1日の過ごし方はそれぞれ違います。そして、その日のうち、4つのシーンにスポットを当てます。どんなストーリーが見られるのでしょう。
水がある、私の1日 / ナオヒデ タカムラ
講評
◆構成やテーマについて
ご自身が水に恵まれているという「日常の水」と言うところに着目した点が素晴らしかった。水というテーマは、もっと大きく繰り広げることができるし、太陽系惑星の中で地球には水があるということを考えると、地球人にとって水は大切なもの、そして永遠のテーマとなります。
◆タイトルや説明文について
シンプルで親切な説明で、わかりやすい。ただ、シンプルさを追求するとしたら、場所だけ示した方が良いのかもしれない。
例えば、「洗面台で顔をあらう」→「洗面台」、「浴室で入浴」→「浴室」
とするのか、「洗面台で顔を洗う」→「洗顔」、「浴室で入浴」→「入浴」
さらに完成度が高くなったと思います。
◆写真について
・洗面台に置かれたアイテム(眼鏡、スマホ)がアクセントとなっていて「どんな人が撮ったんだろう?」と撮影している人物像を連想させやすく、想像を掻き立ててくれます。
・ブルー系アイテムや差し色の小物を投入した戦略は色の統一感が出て良かった。
・フィルム撮影なのに適正露出でしっかり捉えられていたことや、構図へのこだわりは伝わった。
・もっと感覚的に撮っても良かったし、カラーフラッシュの作品を選んでも良かった。今後は、もう少し冒険しても良いかな?
◆全体的な印象
フィルムらしい色合いを残しつつ、青っぽい色が鮮やかに表現されていた統一感のある作品だったと思う。室内から風景、鮮やかに切り替わった構図が見るものを楽しませてくれた。今回組写真には選択されなかったカラーフラッシュを使った作品は、テクニカル的にはかなりうまく撮れていて、まさにロモらしい写真だったので、それを1枚入れているとまた違った印象になったとは思うが、このまとまりある作品は、いかにもタカムラさんらしさを象徴している組写真だったと思う。
冬の日のゆううつ / チャタニエリ
講評
◆構成やテーマについて
この時期ならではの地域性のあるテーマが良い。
◆タイトルや説明文について
タイトルと、自分の考えている気持ちが日記のような感じで綴られているところがエモくて良かった。
◆写真について
1日の流れを、空から、お出かけの様子、雨、そして洗濯物へと切り替わる4つの写真には、ロモクロームパープルの色彩の良さを引き出して表現されていた。特に、最後に選んだ4枚目は洗濯バサミの影を撮影することで抽象的になり、アーティスティック感が強まった。
◆全体的な印象
写真の色が良かっただけでなく、選んだ被写体がどれもカッコよく撮れていた。完成度の高い絵になっているので、良い意味で他の作品から浮いていた。
12月30日(December 30th) / Mamiko Maruyama
◆構成やテーマについて
面白いテーマだった。仕事中に撮りながらは大変だったと思うけど、諦めず作品にできたようで良かった。
◆タイトルや説明文について
タイトルはとてもわかりやすく良かったですが、説明部分をもう少し丁寧に書けると親切です。せっかく頑張って撮った作品だから、もう少し作品に愛情を持って、またみてくれる人に伝わるように、みてくれる人のことをもう少し思いやってもらうと、作品全体の質が向上します。(改善済み)
◆写真について
撮ろうと決めたテーマが明らかだったことから、撮るものが決まっていたけどすごく難しい条件の中で作品を撮ってきたガッツが素晴らしい。自分の撮った写真が暗かったと思っていたようですが、あまり気にしなくて良かった。見ようと思う人が見れば、何をしたかったのかわかるし、何かわからなかった人には文章を読んで貰えばいいことなので、あまり自分の作品を責めなくていいです。難しい内容だったけど、よく頑張ったと思います。
◆全体的な印象
明るい写真から暗い写真へと移り変わっていき、何を撮ったのかな?と、逆に見る人を考えさせる写真となったのではないだろうか?
「自分の仕事の1日」の一部を組写真のテーマにしようというのは先鋭的で面白かった。
work out & rest / 鳥越 健治
講評
◆構成やテーマについて
構成やテーマ、大変良い。また、アメリカ人みたいな趣味でカッコいい。
◆タイトルや説明文について
シンプルなタイトルとrestという言葉選びが良かった。
ワークアウトをしているお気に入りの場所の紹介などをしっかり入れつつ、最後は温泉で締めるrestという言葉で完結させたのはお見事ですね。
◆写真について
こだわった多重露光はどれもよく撮れていました。温泉も上手に撮れていましたが、愛用のスニーカーの写真を強調したかったので、多重露光は1枚だけにしておくのがベストでした。手こずるフィルム&カメラではありましたが、カメラの構造をよく理解し、レンズ付きフィルムの能力を最大限引き出そうとしている姿には胸打たれました。
◆全体的な印象
タイトルから組写真の全体的な構成という点では、一番完成度が高かったです。戦略的であり、変わりゆく撮影地を示しているところがGood! いろんなワークアウトを楽しまれている様子がわかるし、タイトル通りに裏切らない流れで完結したのは鮮やかです。
最後に
皆さんの作品は、どれも素晴らしかったです。
何より、見ていてすごく楽しかった。
たまたま会場に来ていたお客さんが、パネルをご覧になられていました。
私は、こっそりその人が何を見ているのか、そのかたの目線をチラチラ見ていました。
皆さんの、写真と文章を照らし合わせてしっかり見てくださっていました。
きっと、他のお客さんたちも、じっくり見てくださったのではないかな?と思います。
また来年に向けて、がんばりましょう!
次回は、「物撮りの復習」です
実践的な撮影をしましたが、まとめたり、言葉で整理をしていないのでそれをやろうかなと思います。
では!
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