私が登山を始めたきっかけは、星を見るためでした。
2007年、師匠である濱谷氏に聞きました。
「星って、どこで見たら綺麗ですか?」
「そりゃお前さん、山だろうよ。お山の上は空気が澄んでて、星がたくさん見えるし余計な光もないから綺麗に見えるんだよ、だから俺は弥陀ヶ原で星見てんじゃねえかよ」(弥陀ヶ原というのは、富山県の立山弥陀ヶ原ホテルのこと。)
そう、当時は何も知らなかったです。
星を見るってことは、夜だからテントが必要。
好日山荘にテントを買いに行きました。その時、「なんでこんなに低いんですか?」って聞いたら、
「高所で使う為に、風の影響を軽減させる為に低いんですよ。」と言われました。
そうか、強い風が吹くから低く作ってあるんだね。高所で使用するテントの常識なんだと知った。
山岳テントは4〜5万が相場で軽いということが特徴。
色々迷って、自立式の軽量テントを選びました。
快適なのが良いので、ソロだけど3〜4人用の山岳テントを買いました。
結露などするから、機材をしまったり道具をしまう為にスペースが必要だと思って一人でも大きめのを買っておくと良いと思ったからです。
プロモンテVL44です。
当時、4万ちょっとでした。
購入したのが2008年の頃です。もう11年も経つけれど、まだまだ現役です。よく見れば汚れがついていたり、小さな穴くらいはあるかもしれませんが。
テントは、星見の時にオートキャンプなどで数年活用し、ハイキングや日帰り登山も経験したので、そろそろ高所でキャンプしようと思いました。
2011年一人で、初心者向けである立山の雷鳥沢にキャンプしに行きました。
一人で使うには十分なスペースがありますが、高山で使うと寒いです。。。
あまりにも寒かったのは、テントが広いせいだとわかりました。
だから、下山してすぐにこれと同じタイプのソロ用を買いました。
全く同じメーカーのサイズ違いです。正面から見ると、幅は同じ。
こうして見ると、倍くらいサイズが違うということがわかります。
現在は、モデルチェンジをして、可愛い水色になりました。もちろん、様々な部分も改善されてより良い商品となっているようです。
わたしは、運良く、強風の中や大雨に遭遇しても壊れたり破れるようなことはありませんでした。が、これからそんなことがあったとしたら、モデルチェンジをしたプロモンテを買って使い続けたいです。
VLシリーズはオールシーズン使用可能なテントとして「ギリギリの軽さへの挑戦!」をコンセプトにしたテントです。「軽量=デリケート」ということをご理解いただいた上で、VLシリーズをご使用の際は、別売のグランドシートを併用していただくことを強くお勧めいたします。
http://www.hcsafe.co.jp/t_vl36.html
グランドシートはあった方が良いと思うのですが、わたしはテントより一回り小さいサイズの、ブルーシートやレジャーシートで代用している。。。
グランドシートはしっかりした製品なんだけど、その分重たいです。レジャーシートは軽いから良いです。私はね。
高所のテント場には、場所によっては板を借りることもできます。
グランドシートの代わりになるものは、絶対に使った方がいいです。だって、雨が降ったら水がそこを通るわけだから、濡れてきます。
余裕があったら、ダイソーに売っているペラペラで薄いアルミマットも良いですよ。ただ気をつけて、テントのサイズよりも小さく切ってね。テントより大きかったら、水がしみ出しちゃう。
さて、VLテントの話に戻るけど、オールシーズンなのに、軽量テント。
軽量テントのほとんどが、インナーテントがメッシュで、それにフライをかけるタイプ。ところがプロモンテは違う。インナーテントはメッシュじゃないから冬もいける。オールシーズンでありながらとっても軽い機能的なテントなのです。
インナーテント、メッシュじゃない!!!
メッシュのインナーテントを使ったことがありますか?
フライの内側に結露したものが、インナーテントに落ちて、メッシュだからあみと一緒で水滴が貫通してポタポタ落ちてきます。
そうしたら、シュラフが濡れます。それを濡らさないように、シュラフカバーを使わなければなりません。
これは、最悪です。まず、水がしみこむというだけで重たくなります。シュラフカバーを持つことでさらに重量が増えます。それなら、結露を覚悟でフライとインナーの間に薄手の手ぬぐいでも乗せた方が軽量化に貢献できそうです。
それに、濡れるとなかなか乾きません。高所のほとんどが雲の中です。ぴーかんだったら乾くかもしれないけど湿ったままだと、じめじめした不快な気持ちと、低体温症を招くこともあります。テント泊で濡れることは厳禁。
私は、シュラフカバーを持っていません。だって、シュラフ濡れた経験がないんだもの。。。
もちろん、結露しないというわけではないと思います。ただ、構造上うまく湿度を逃がせていたのか、運が良かったのか平地でも、高所の雲の中でも、雨漏りや結露がテント内に落ちるなんていう事で困ったことがないんです。
フライの内側に結露していたことはよくあります。立山の雷鳥沢では、その結露したものが凍って、外へ出ようとした時、氷がぱらぱら落ちてきたのを覚えています。
さて、早速組み立ての工程を見て行きましょう。
ちなみに、これは私独自のやり方です。
袋からテントを出します。広げてポールを出します。
ここで、最も重要なポイントは、ポールの上下です。
吊り下げ式なので、吊り下げる金具が下に来るようにポールを刺さなければなりません。
この向きね。出っ張りが下ね。これが最も大切なこと。
ポールの上下がわかったら、隅っこに入れて行きます。
私のやり方は、二本入れてしまうやり方です。
人によっては、対角、対角で入れる人もいるかもしれません。
わたしは面倒臭がりなので、二本入れちゃうやり方です。その方が早い。
ちなみに、モンベルの吊り下げ式テントステラリッジは、四隅に入れる前に、真ん中を吊り下げてから組み立てるタイプですし、同じような吊り下げ式でもメーカー推奨の組み立て方があります。できるだけ、その通りに組み立てることをお勧めします。
ぎゅっと向こうへ押すように、ポールを曲げます。
そのとき、カラビナを踏むとテントが逃げないよ。
私がカラビナをつけたのは、テント設営中に風で飛んでいかないようにザックとか何かにすぐくくりつけることができるように。軽量化には反するけどこのカラビナは入り口の鍵として、寝る時に使えるし何かと便利です。
簡単です。
カチャっとつけるだけなんです。
そのあと、ポールにこれをつけていくだけ。
フライシートをかけます。
四隅には、サイドリリースバックルが使用されていてカチャっとはめるだけ。
ベルトを引っ張れば、テンションをかけられます。
本当なら、この後、場所を選んで決めたら、四隅を固定してペグを打ち、フライシートにテンションをかける為、ペグを打ち込んでいく作業がありますが今回は割愛。
ベンチレーターは、三層からなる構造。
インナーがメッシュになっていて、巾着式になってます。
雨などの場合は、二個目のベンチレーターをしめて。
左手の下は、ポールとフライを結ぶ紐がついてます。結んでおくと、良いですよ。現行品は、ベルクロに変わったみたい。蝶々結びの手間が省けますね。でも、わたしはこの結ぶタイプも好きだよ。
入り口も便利な三層構造。
フライを外した状態だと、メッシュ、メッシュじゃないの2層構造で、それぞれにフックがついてます。
テントをしまう時、風通しを良くする為に、いちどフルオープンにして湿度を外に放出しましょう。
こちらは、VL44のタイプ。こちらのタイプは、入り口が二つあって、急いでいる時も、フライの向きを考えず設営できて便利です。
何より通気性がたいへん良いです。
VL14が顔を出しています。
テント内で、暑いなと思ったら、ファスナーを開けるとメッシュになっているから網戸にできますよ。ベンチレーターを開けて換気もできます。
ペグを張った想定だと、前室はこんな感じ。
思ったより広いですよね。フライシートがあるだけで全然違う。
天井には、細引きを通せる紐がついていて、色々吊るしたり干したりできます。
私は、ライトを吊るしたり、靴下や小さなタオルを吊るしています。
あと、化粧水とか歯ブラシとか、すぐに使いたいけどどこ行ったかわからなくなりやすい小物なんかも、とりあえず洗濯バサミで挟んで吊るしておくと便利です。
しまう時、このスクリューフックは片手でくるっと回すだけで、簡単に取れます。撤収スピード速さの秘密はここにも隠れています。
現行品は、お客様の声から様々な改良を加えて、色々な部分が改良されているようです。
興味がある方は、こちらをご覧ください。
「必要以上に強度がある部分を軽量化して、逆に今まで修理が多かった弱い部分の強度アップを図る。」
http://www.hcsafe.co.jp/t_vl16.html
とても情熱的な会社だなと思いました。
とても軽いので、VL44のうえにVL14を乗せました。
デザインのこととか、色のこととか色々好みがあると思いますが、この商品で私が一番評価しているのは、ファスナー部分の縫製。
ファスナーが絡まったことがない。
スムーズな開閉。
初めて使用したテントだったので、これが当たり前だと思っていました。
でも、海外製のテントを使うとファスナーの開閉に問題があったり縫製が雑だったり、縫い目の表裏が逆だったり、生地が表裏逆だったり、日本ではあり得ないような縫製のものを多く見かけるようになりました。
高所では、出入り口のファスナーは、命に関わります。
雨が振ったら靴が濡れてしまうし、雪や風が吹いていたら寒くて低体温症になるかもしれません。
テント選びの際、デザインや色で選んでしまいたい気持ちはわかります。それはオートキャンプなら良いと思います。しかし、高所での使用を想定する場合は、居住する空間が高所のテントになるわけです。一泊でも二泊でも、その場所で生き抜く必要があります。ちゃんとした製品を選びましょう。
何を買っていいのかわからない方、迷っている方には、ぜひこちらの商品をお勧めします。
現行品はさわやかな水色に ベージュの限定カラーもまだ入手可能
現行品2人用
現行品3人用
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