【登山】雷鳥沢野営場で出会ったペグおじさん

2020-07-18のできごと。

今回のテント泊で、雷鳥沢野営場で出会った人がいるので紹介したいと思います。

写真では伝わらないとは思うんですが、雷鳥沢野営場は、天気が悪く突然ひどい雨が降って来たんです。局地雨です。奥大日岳の方は青空でした。

そして、またすぐに晴れる。

私は、天井が低く狭いテントで過ごすため、あらかじめタープを張っていました。梅雨明けしていないことと、雨の予報だったのでタープを事前に持って行ったのです。

雨宿りに来たおじさん

「ごめんね、結構な雨だから、雨宿りさせてね!ごめんね」

と、テントの外側で声がした。

「どうぞ〜」と言いながら、テントから顔を出して見るとそこには、見たことがあるおじさんがいた。

実は、去年、このおじさんに「神の道ルートへ行きたいんだけど、どこから降りれますか?」って道を聞いて、教えらもらったんだよね。

おじさんは、テント場でうろうろしていてはたから見るととても怪しいから、思い切ってインタビューをして見た。

「ここの管理の方ですか?」

「いえ、わたしボランティアなんです。」

17年ほどボランティアで毎年雷鳥沢野営場にいる

65歳を超えてからは、一ヶ月近く雷鳥沢野営場に滞在しているそうです。それまで、サラリーマンをしながら夏の期間は2週間ほど休みを取って毎年ボランティアに来ているそうな。

で、なんのボランティア?

ペグ抜きとゴミ拾いなんだそうデス。

へえ、そうなんだ。ちなみに、自主的なボランディアです。

「ペグおじさん」というあだ名

雷鳥沢野営場で17年ほどボランティアを続ける中村さん

わたしは、ご本人に「ペグおじさん」って呼んでもいいですか?って聞いたら

「はい、ペグおじさんでいいです。」と頷きながら言ってくれたので、正式なあだ名になりました。

本当は、埼玉在住の中村さんっていうんだけど。

ペグは金属ゴミ

ペグって、抜き忘れると錆びてゴミになっちゃうんですって。特にここは地獄谷の硫黄の影響を受けているのですぐダメになってしまいます。だから、できるだけ、早期発見して使える状態でペグを抜いて、その辺の人にペグをもらってもらって、再利用してもらうんだそうです。

雷鳥沢野営場で17年ほどボランティアを続ける中村さん 早速ペグを見つける

インタビューしている時も、すぐにペグを見つけてしまう。

小銭が落ちている

お金の色に注目してください。硫黄などの影響で、色が変わっていますね。こんなのは、こどもにあげちゃうんだそうです。「おもしろいでしょ、お金の色が変わっちゃうなんて、大地の息吹を感じるよね。」

私もペグを発見した!

「ペグおじさん、ここにペグっぽいものが刺さってますね!!」

「あ、本当だ。」

ペグを掘り起こしたペグおじさんは、

「これは1年以上前だな、錆びちゃってるでしょ。これはゴミになっちゃうねえ。いやー、君よく見つけたね。全然気がつかなかったよ。君には才能がある。」と褒められちゃいました。

雷鳥沢野営場で17年ほどボランティアを続ける中村さんに褒められた

「このボロボロのペグを見つけて仕事したんだから、写真を撮って。」と言ってくれました。せっかくなので、中村さんと一緒に撮ってもらうことに。

「僕があと5年くらいで来なくなるだろうから、ペグ抜きボランティアを、ぜひ引き継いでよ。」と言われた。

自分へのあだ名はできれば「ペグの人」にしてほしい。。。

おじさん → 親しみを感じる

おばさん → 悪口・悪意を感じる。

人が文句を言うときに、「なんなの、あのオバさん!」って言っている人が多い気がする。人って、怒るときや嫌いな女性をオバさんって呼んでる気がする。

おじさんと言う、愛情のある呼び方とは全然違うと思う。

おじさんという名前の絵本だってある。『おじさんのかさ』とか、おじさんって、今でもかっこいい言葉なんだよ。おばさんという言葉も、本来はそうだ。『おばさんのごちそう』とか『スプーンおばさん』とか本のタイトルに起用されているけど、現在は悪い印象しかないのは事実であろう。

仲良しの人には、「おかあさん」とか言っている気がする。女性が自ら「おばちゃんは、年なんや。」とか言っている分には問題ないが、オバさんだろうがなんだろうが、他人は女性という大きなくくりで表現すべき。

僕はいつも、女性のことは年齢問わず彼女って呼んでいる。My girlという意味ではなくSheという意味だ。

海外では、そういう呼び方はとっくに廃止されている。日本は遅れていると思う。だから失礼な男性が多いんだね。気をつけよ、日本男児(男児と書いてあるが、年齢は関係ない)。

来年も会えるよ

ペグおじさんは、私のタープの下で雨宿りをしていたことを丁寧にお礼を言って来た。

「さっきは、雨宿りさせてくれてありがとうね、助かったよ。ありがとう。気をつけておかえりください。

来年も、会えるからね。」と言ってくれました。

この後、私がバスに乗り遅れることは、ペグおじさんは知らない。私だって知らない。

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