ツェルトでソロキャンプのすすめ。ミニマムな自由。

ソロキャンプにツェルトという選択

 キャンプブームもすっかり定着し最近ではソロキャンプが増えてきているとか。テントやタープなど、様々な道具、様々なスタイルが提唱され、ワイルドなものからお洒落なものまで多様なコーディネートで賑わっていますね。

テント状に張ったツェルト。30lザックに調理器具も全て収まる。

ザック1つにキャンプ道具収納

 そこで今回、キャンパーというより山屋的な立ち位置の我々が紹介するのは、アウトドア雑誌やサイト、ブログなどでもほとんど取り上げられることのないツェルトでのキャンプ。山岳キャンプでは一般的です。何と言っても山用道具として軽量コンパクトですので、他の道具と一緒に全部がザックに収まるのが魅力。

2人用ツェルトでも500mlペットボトル大に収納される。

 あくまで非常用として紹介されることが多いツェルトですが、荷物の軽量化につながり、一人であれば普通に寝られる空間が確保できるツェルトはソロキャンプの道具としては非常に優秀です。

キャンプに行きたくなったらすぐ出発

 あれこれ道具を選んで次回のコーディネートを考えるのも楽しいですが、ツェルトと道具一式をいつでもザックに放り込んでおくと、思い立ったら行き先も決めずにすぐに道具を持って家から飛び出せます。道具のスタイルよりも「キャンプに行きたい」という純粋な衝動を何よりも大切にしたいとは思いませんか。

 それはある意味、キャンプにおける本当の自由の一つと言えるのではないでしょうか。

 などと哲学的になってきてしまいましたが、改めてツェルトとは何かという基本から見ていきましょう。

ツェルトとは

ウィキペディアより引用ですが、

ツェルトとは、登山用の小型軽量テントである。本来英語の「テント」と同義であるドイツ語の「ツェルトザック」(Zeltsack )の略であるが、日本では極めて簡易にしたテントを通常のテントと区別して呼称する。

wikipediaより

 という通り、もともとドイツ語の「テント」が日本では小型の緊急用テントの名前として使われているというわけで、英語では全部テント、ということで、日本では緊急用のテントのことをツェルトというというわけですね。

元は山岳非常用、タープ、寝袋にもなる

 テントはポールを抜いてもテントの形をしていますが、ツェルトはだいたい1枚の布になっています。広げてタープの代わりにもなりますし、テントの形に張ることもできます。
 床の中央で分かれるようになっていて、紐を結んで床ありにすることも、床は無しにして土の上に屋根だけという状態にすることもできます。
 簡易テントというより、テントの形にもしやすいように作られたシートというほうがしっくりくるくらい、工夫次第で何にでも使えます。

ソロキャンプには2人用がおすすめ

 1〜2人用といろいろありますが、非常用でなくてキャンプで使うなら1人で2人用を使うのがおすすめです。テントと違って、元が山岳の非常用のため、2人用といってもぎりぎり2人という設計がほとんどです。つまり1人用だと1人で寝て荷物などは外に置くことになるので、2人用だとザック1個を室内に置いて、多少寝返りできるくらいの広さになります。

2人用を1人で使えば道具や荷物も持ち込んで快適に過ごせます。

 2人用でもスタッフバッグに収まると500mlのペットボトル一本分ほどの大きさになり、コンパクトさでは圧倒的です。

張り方も何もかも自由

 立てるときはツェルト本体のほか、細引きロープとペグ、ポールを2本用意します。ポールは通常、山ではトレッキングポールを使うので荷物になりませし、なければその辺の木など何かに吊れば設営可能です。
 ロープにテンションをかけてビシッと張るもよし、ルーズに吊り下げるだけな感じでも、張り方も自由です。とにかく何もかも自由、張らずにかぶって寝袋の代わりにしてもいいのです。実際に山では寒さをしのぐためにテントの中でツェルトをかぶったりします。

キャンプにも快適さを求める方には向かないかもしれませんが、とにかく自由な心や今すぐ出発したいというような衝動を大切にしたいという方、装備品の選択肢に加えてみてはいかがでしょうか。

 

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