2022-11-10 19:30-21:00
ここ最近話題となっている皆既月食。北海道から日本海側の一部で、皆既月食当日は雨が降ったり曇りなどの予報で観測できるかどうかわからない状況でした。
ですが、今回すっかり晴れてしっかり観測することができました。
受講生達に一番みてもらいたかった、メインの課題でした。
みてないものはまともに撮れない
これは、私がカメラ教室の受講生みなさんにいつも言っている言葉なんですが
「しっかり被写体を見ること。凝視して、観察すること。何が起きているか自分の目で確かめること。」見るという行為が最も大切です。
皆既月食という現象も、写真は失敗していいから「しっかり見る時間」を作ってもらいたかったというのが本当のところです。
被写体もろくに見ず、カメラのモニターばかり見ていても、結局何を撮ったのかわからなくなりましたという話はよくあります。
写真なんか失敗してもいいから、まずはこの皆既月食という現象を自分の目で見て感じて欲しかったです。
なんのための写真なのか
写真の役割や価値とは何か。いろいろあります。
記録としての役割。学術的資料としての価値。芸術的な作品としての価値。広告、啓発を目的としたプロパガンダ的なもの。それ以外にもいろいろあると思うけど、今は思いつかない。
んで、今回撮った写真ってなんだろうね?
そこを考えられたら素晴らしい。
作品発表の時間
さて、今日は楽しい作品発表の時間です。
バリエーションがたくさん!すごいなあ。
メイン課題以外のサブ課題も全部クリアしてくださいました!
今回は、欠席や作品を忘れてしまったなどで作品発表の人数が減ってしまいましたが作品はずらりと並びました!
組写真ということでは無いけど、自分で5枚び、何を発表しようというところも受講生が自分でそれぞれ考えてくださいました。
せっかく作品撮ったのに、作品を忘れてしまったので撮影当時の感想や、みなさんの作品についての感想などを発表してもらいました。
皆既月食を撮影しての感想 / Eri C.
すごく寒かった。。。去年撮影した時には、結露は起きなかったけど今年は結露が起きてしまいレンズが濡れてシャッターチャンスを逃しそうになった。その場でできることをやったけど、もっと準備が必要かなということを思い知らされた。とても勉強になりました。
この課題に取り組んでの感想 / Kenji T.
メイン課題の日、晴れないようにサブ課題を撮ってみたら「全然上手に撮れていない」と不安になった。普通は、新月や月が無い期間に夜空を撮影する為「火星と月」と言う撮ったことがない被写体がサブ課題だったので撮ってみると露出の合わせ方がわからなくてどう撮っていいかよくわかりませんでした。勉強になった。皆既月食では、標高850mで撮影したので結露と身体の冷え、さまざまな戦いがありました。もう途中で帰ろうかなという気持ちにもなった。そんな中、月がどんどん地球の影に入っていって薄暗く、そして赤くなった時に、空の星がわぁーっと見えてきたのには感動しました。
素晴らしい感想
「撮影で、良い作品を残したい。」そういう要求とは裏腹に、撮影現場では過酷なことが起きて、いろんな気持ちが湧いてきます。みなさんが感じた撮影時のエピソードは誰のものでもないその人が体得したその人のものなのです。知識だけではなくて、実際に体験することや自分で何か感じたり発見したりすることができたら(その発見は、既に別の誰かがずっと前に発見したものだとしても)、そこに写真の価値が上がると思います。
誰でも綺麗な写真が撮れる時代
今、生き残っているカメラメーカーがスマートフォンと共存しながら頑張っている。シャッターさえ押せば、勝手に色味からピントから大変賢い状態で美化して画像を残してくれる時代になりました。
そんな中、どうやって人と差をつけるか?
そこを考えていく必要があります。
私個人の考えとしては、カメラが高性能になっても過酷な環境下での撮影は、過酷に変わりないと思っています。ただ、銀塩とは違って圧倒的に機材の軽量化・時間や手間などが省けているため銀塩とは別でありながらも、それなりの努力をする必要があると思います。
天体写真をやっている人たちは、自分の体が冷えないように自分の体の装備や光学機器類への配慮、撮影後の画像処理などにおける全てを時間をかけて一人で行い、日々SNSや個人blogに掲載、天文誌へ投稿などをしています。とても大変な苦労です。やったことがある人には、その大変さがわかるでしょう。
写真にはちゃんと個性が出る
天体写真は、全く同じ被写体をいろんな人が撮影しているからまるでほとんど同じように感じるが、よく見てみると、その人その人で処理の方法や、強調したい部分がまるで違う。
色にこだわる人、透明感にこだわる人、コントラストにこだわる人、何かにこだわりがあってその処理をしている。だから、同じ被写体でも質感が全く異なったり、違う印象を受けたりするものなんだよ。
カメラレンズではなくて天体望遠鏡をカメラにつけて撮影する直焦点で撮影をしている人の写真は、月面の角度が見ている状態とは違っていることが多く、反射望遠鏡の場合は反転している。それも、使用機材が異なると言うことで個性の一つだと言えよう。
色収差があからさまに出ていたり、カメラの望遠レンズには出せないクリア感が出ていたり。天体写真ほど光学機器類と処理方法に差が出てくるものではないかと思う。
だから、天体写真というジャンルとして確立しているんだろうと思う。
話がそれましたが、同じ被写体で受講生達が何に注目して撮影をしてみたか。撮影時に何を感じたか。そんなところが、注目したいポイントでした。
ささやかな景品
3名で投票を行いました。一人3票を投票するので全部で9票あります。その票が、どんなふうに別れていくのか。
一位 5票 Kenji T. 2位 4票Eri C.
入浴チケット、月面付箋、マスクケース、ティッシュ、などの粗品的な景品を用意しました。1位の人が好きなものを選べるという仕組みです。
僅差でした。大変な課題に取り組まれたと思います。寒さや尿意との戦いですよね。よくわかります。
これからも一緒に頑張りましょう。
では!
次回は、2022年11月24日 「作品展について」
次回は、「作品展についての発表時期、テーマ、展示方法」などについてをみなさんで決めたいと思います。
その前に、少しだけ前回発表できなかった受講生の皆既月食の発表をちらっとしていただきたいなと思っています。
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