JF9QYV/9 のボランティア日記【災害ボランティア】能登半島地震(2024) 炊き出し ③シーフードミネストローネスープ・小鉢・加賀棒ほうじ茶

2024-03-24

タイムスケジュール

10:00 集合

10:30 調理開始

   ミネストローネの具材を解凍・温め・スープなどを混ぜて煮立たせる

   ほうれん草の解凍

11:00 ほうれん草と大根の一夜漬けを盛り付けてラップをかけて置いておく

11:15 ミネストローネの具材を入れてしっかり混ぜて、味の調整をする

11:30 加賀棒ほうじ茶を作る

11:50 桜のショートパスタを茹でる

12:00 暖かい状態での配膳、綺麗に盛り付ける

温かい状態で配膳することを心がける

実は、1回目の配膳はとっても余裕がなくって、慌ただしかったです。2回目の配膳もは、余裕があったけど冷めてしまった状態のものがあり残念でした。この原因は、わかっています。今日は、28人いる。だから28個分を盛り付けようとしました。ところが、そのうち何人かはお仕事で不在だったり、体調が悪くてお部屋から出てこなかったりしたのです。30人近くが一気に押し寄せるとそれは困りますが、多少お待たせしてもいいから、顔を見て順番に配膳をしたほうがいいと思う。「あと一つ足りない」って、言われて、ポトフを盛り付けたのに、結局冷めてしまった。

ジャガイモ、トマトなどを煮込む
ニンニク、玉ねぎ、ニンジン、パンチェッタを炒めた後、パプリカを煮込む

それで3回目は、余裕を持ってあたたかい配膳ができるように、ミネストローネは事前仕込み。野菜を細かく切って、炒めて煮込んで、冷凍するという手順です。ここで大切なことは、火を通した後に、急速冷凍する必要があります。菌が一番繁殖しやすい温度は、30度から40度と言われているので、粗熱をとった後は急冷させないといけません。業務用冷凍庫ならそれができますが、家庭用のしかありませんので、粗熱を撮った後、保冷剤や氷を使って冷凍庫に入れます。30食分の量ですから、私は、かなり頑張ったと言えるでしょう。

JF9QYVが仕込んたミネストローネスープ / STAUB 24cm

この作業が可能となったのは、STAUBという鍋のおかげです。この鋳物鍋はとにかく火の通りが良いので2つほど使って30食分濃縮スープの仕込みができたのです。

で、無事にスープは冷凍できたし、当日はさらに具材を混ぜるだけの状態にして作っておきました。買い出しから仕込みまで3日以上かかっています。見た目以上に大変な作業です。冷凍庫や冷蔵庫は、炊き出し用のもので溢れていました。おかげで当日とてもスムーズだし、このやり方なら誰でも作業ができます。やはり仕込みが大事です。

配膳に使うディスポ容器(使い捨て)について

2024年能登半島地震の炊き出しボランティアは、配膳容器もこちら側で用意するというのが前提です。これまで2回炊き出しを行ってきて、配膳容器について課題が見えてきました。

1回目の紙皿は、しなしなになって持ちにくい。2回目の配膳、カラフルで見た目は良かったけれど、プレート配膳は盛り付けが結構難しいということでメンバーから不評。紙コップも小さくて保温用のではないから不評。いろんな意見がありました。紙皿は、水分を吸うと、クニャッとします。あるあるです。乾いたものならいいけれど、水分のあるものを入れると、ちょっと置いといてもクタっとなるね。カラフルなプレートは、セルフサービスなら良いけどこちら側で全て盛り付けをしなければならない場合、盛り付け担当が大変だったと言うのです。それは、盛り付けの導線、食材が多すぎたとか、他にも問題があったように思います。メニューを考えると同時に、どんなディスポ容器を使って配膳するか。それも考える必要があります。そして、調理が終わってから盛り付け、お運びまでの導線について考えながら、コンロを置く場所を決めたほうが良いです。

さて、ディスポ容器の話に戻りましょう。結論は、ある程度の大きさがあって、持ちやすく(握りやすく)、運びやすい。そういうことを考えて、快適で美味しく食べられる容器を選びました。

紙製の容器

メリット

・低コスト

・電子レンジが使える

・嵩張らないので、持ち運びと、ゴミ回収の時にコンパクトになる

デメリット

・保温性はない

・入れるものにもよるが、水分の多い料理には頼りない

・薄っぺらいものが多いので、運ぶときに不安定

・熱いものは入れられない

発泡スチロール容器

メリット

・保温性がある

・厚みがあるので、汁物でも安定して持ち運びしやすい

・熱いものを入れても、手で持てる

デメリット

・紙皿に比べると高い

・電子レンジは使えない

・嵩張る

コストについて考えるのは大切なことだけど、ペラペラな入れ物を使ってこぼれてしまったり、火傷してしまったりしたら大変です。多少のコストがかかってしまっても、安全に配膳できるもので保温性の良いものを選ぶ方が大事ではないかな?と考えました。

発泡スチロール製のものは嵩張るけれど中身を入れても安定して持てるということ、保温性があるので紙のものより良い。火傷の心配がないので保温タイプのものを選びました。そのほうが、配膳する方も扱いやすかったし、食事を取りに来られた方も持ちやすそうでした。

二次避難所には、食器を洗うような水や環境がないのです。避難されている方達は使い捨て容器を使うより他なく、コロナ禍のこともあり、使い捨て容器の再利用なども難しいです。

災害時には、このディスポ容器にアイラップを被せて、そこに汁物を注いで、食べ終わったらアイラップだけ処分してディスポを再利用するというやり方が有効的なようです。そうすると、美味しさは半減しそうだけどね。。。

炊き出しは衛生面に対する高い意識が必要

ボランティアは、炊き出しだろうが、瓦礫の撤去だろうか、基本は自己完結です。炊き出しの場合は、運び出すもの全てが衛生的に配慮されている必要があります。

炊き出しでは、とにかく衛生管理の徹底が大事です。使う調理器具も、全て殺菌しましょう。殺菌の方法は、中性洗剤でよく洗って、乾かしてからアルコールを吹きかけて乾いたら袋に入れると言うことです。また、使う直前に熱湯をかける。そしてアルコールしておく。ちょっとしたことを、一人がサボるとその努力は報われません。それどころか、集団食中毒などで報道されてその場に居合わせた人間全員が嫌な思いをします。二次避難所に避難されて居る方は、ご高齢の方が多い上、炭水化物中心の食生活で胃腸が弱ってしまい、抵抗力も弱っています。元気な状態ではないことも想定されます。そう言う方は、ちょっとしたことで食あたりになってしまうこともあります。その原因が、炊き出しだとなれば、みんなショックですしイメージも悪くなってしまいます。

そうならないように、それぞれの役割を徹底すべきです。また、直接調理に関わらない役割の人も、アルコール消毒やゴム手袋の着用は必須です。傍観していないで自分も衛生面に気をつけると言う気持ちをしっかり持って取り組んでください。チームのメンバー全員と気持ちを一つに、衛生面に高い意識を持って取り組みましょう。

まず、運んできた荷物を調理台においてはいけません。その荷物の段ボールの底は、色んな地面に置かれてきたものです。買い物袋もそうです。下に置いていた袋を机の台に置かないでください。もしおきたい場合は、ゴミ袋や袋でカバーしてきてください。おくときは、そのカバーを剥いで、置きましょう。私は仕込んだものを必ず袋のカバーをつけて冷蔵庫に入れますし、それを運ぶ時、運搬用にさらに袋に入れますよ。鍋に入れるとき、その運搬用の袋と冷凍庫に入れていたカバーは捨てます。運搬では、底や裏側のことを常に考える必要があります。

着ていたコートなどもきれいに丸めて袋に入れておくのが良いです。

私たちは無意識に、不衛生なことをやっています。食物栄養科出身の方に聞いたところ、入学してすぐに鞄を机の上に置いて居る人は厳しく注意されたそうです。カバンは、いつも持ち歩いている汚い物であると教えられるようです。私も思い当たることがあります。この炊き出しをするたったの3時間でいいから、真面目に衛生的な取り組みをお願いします。しつこいようですが、わかっていてもポカンとして居る人だっているし衛生的な意識に欠けて居る人もいます。絶対に食中毒を出したくありません。気をつけましょう。

しっかり熱を通すこと、しつこくアルコール消毒をすること、マスク、手袋、エプロン、バンダナなどで異物混入を防ぐこと。

肉と野菜を一緒に切らないこと。肉用のまな板とナイフ、野菜用のまな板とナイフを使い分けること。

具沢山のスープは、しっかり混ぜ続けること。ウェルシュ菌は嫌気性菌なので具沢山のスープやカレーに潜みやすいです。寸胴鍋の場合は、上下にしっかり空気を含むように混ぜること。高温にも強い菌なので絶対一度は沸騰させましょう。中途半端なぬるめの温度が危険です。

切り傷、血が出ているような怪我をしている人は、黄色ブドウ球菌に気をつけること。そう言う人は、調理場に入らず撮影係か後片付けの係をしましょう。

炊き出しはそんな甘いものではないし、楽しそうで簡単そうに見えるけれど、それなりの覚悟も必要です。大袈裟だと思わず、これを機に自分たちの日頃の行動を見直してみてください。プロとかアマとか関係ない。ボランティアをすると言うのだから責任があると思います。それが自己完結ということではないかな?そんなことを思いました。

403 Forbidden

炊き出しの様子

さて、私たちの炊き出しの様子を見ていきましょう。私はみなさんの行動を見張っていたのですが、かなりコマメにアルコール消毒していた様子でした。

また、アルコールがめっちゃ減っています。つまり、たくさん使ってくれたんだと思いました。パストリーゼは、食品直接噴射OKなアルコールなので、大人やお子さんやワンちゃんにも安心して使える優れものです。飲食店でも、よく見かけます。

仕込んできたものに、再び熱を加えて殺菌。

具材を加えて、沸騰させて、ぐるぐる混ぜて、をくりかえす。

工程そのものに難しさはないけど、寸胴鍋で具材たっぷり系の汁物は密かに焦げやすい。熱を均一に保つため、グールグルとゆっくりかき混ぜるのが大事です。

副菜は、冷めて良いものだから先に準備をして並べておきます。

12時提供スタートだから、11時50分ごろに再度鍋を煮立たせて。

桜のショートパスタは、ビーツで色付けされたもの。3分で茹で上がるので、11:55に茹で上げて、エクストラバージンオイルを絡めてトッピングにします。

イタリアンパセリの上には、粉チーズと炒めた赤十字パプリカを添えました。ズッキーニは、季節のものであまり入荷がなく、トッピングになりました。トマトとよく合う食材です。桜のショートパスタを添えて春らしい盛り付けにしました♪

バランスよく食べてほしいので、とにかく野菜とタンパク質をたくさん取れるように「食べるスープ」にしました。食材は、できる限り地産地消や品質の良いもの。それから春らしいものを選びました。

自分たちのできる範囲で、無理なくやってよかったです。自己満足ではありますが、1回目や2回目の課題をクリアし、3回目はメンバーも納得のいくものが提供できたので嬉しく思っています。何より、被災者の方から「美味しい!素敵、可愛らしい」と歓喜の声が聞こえて、食べながら「お豆が入っていて嬉しいです」と言ってもらえたり、野菜が嬉しいと、直接言ってもらえたので、良かった、と安堵しています。

炊き出しに限らず、料理の提供って奥が深いね。「食材の買い付け、食材の下処理、仕込み、調理、盛り付け」どの工程も時間のかかるものです。

メンバーと、作業を手分けしたり、買い物を手伝ってもらったり、調理器具の運搬や管理をしてくれたり、ここでは紹介していない役割もたくさんあります。メンバーそれぞれにも役割があって、みんなも大変だったと思います。普段は、アマチュア無線を楽しみながら通信訓練などを行う奉仕団ですが、その活動を通して私たちにはチーム力があります。その力を、今回の炊き出しで活かすことができたのではないかな?みんながいるおかげでね。

炊き出しは、長期的なサポートが必要です。たくさんの団体が定期的な炊き出しを行なっていて、すごいなあ、と思います。一度、そういう慣れている団体が、どんな風に活動しているのか見学してみたいな。

4月からはまた、どんな風になるだろう。新学期なので、慌ただしい中、移動とか色々あって。。。大変だね。

皆さまの安全と、一日も早い復興を心よりお祈り申し上げます。

JF9QYV/9 のボランティア日記【災害ボランティア】能登半島地震(2024) 炊き出し ①めった汁・副菜

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