みなさんこんにちは、ゆすらです。
今回、東京から星見人のお友達utoさんが金沢へ遊びに来てくれました。
ご存知ないかもしれない方もいると思うので解説すると、「星見人」と書いて、ほしミストと読みます。ロマンチストみたいなやつですわ。
uto氏は、オサレな自作天体望遠鏡Light bucket 18オーナーで、双望会では大変有名な方です。天体望遠鏡にテーブルがついていて機能的なのにかっこいいんですよね。
マニアックな自作をしていらっしゃるので、貴重な情報をblogで配信してくれています。すごく勉強になります。英語にも強いので、海外の素敵なサイトの紹介などもあります。
最近、yahoo blogが閉鎖してしまったので、今まで閲覧していた人が見れなくなって困っているという問い合わせが私のところに来ていたのでここで紹介しますね。
下がuto氏のURL
さて、話を戻そう。
なぜ沈金か
uto氏があまり金沢の観光に興味がなさそうなのでどこへ出かけるか迷っていた。考えているうちに、去年彼が自作した20センチF5の天体望遠鏡のことを思い出した。
2019年6月3日(月) uto氏のメールに4枚の写真が添付されてきた。
この天体望遠鏡は、2019年双望会同窓会では「重箱ドブ」として発表され、参加者から「ゴボウを入れろ」とか「おせち」とかいじられて大変人気があった。セットの組み立て式の椅子もあったが残念ながらぶっ壊れた。でも、みんなが楽しめたのでよかったと、ご本人はおっしゃっていたと思う。
見ての通り和風な天体望遠鏡だ!
日本の歴史の教科書に載っていそうな、でも載っていない天体望遠鏡です。
私が知る限り、歴史ある天体望遠鏡というのは色収差ばりばりの屈折ですんごい長い鏡筒だったとか、1823年頃には国友一貫斎が銅と錫の合金でグレゴリー式の天体望遠鏡を作ったということくらいしか知らない。研磨だけで鏡みたいにビッカビカに光らせているというのだからすごいです。70倍程度で土星のリングがはっきり見えたと聞いています。んで、話は逸れたけど和風でカッコええやないかい。ということなんですよ。
でも、これを見た時私は思ったんです。天体望遠鏡だけど、外側もうすこし工芸作品的に寄せたらより素敵になるんじゃないかと。
uto氏の自作望遠鏡には藤原忠通の俳句が刻まれる
風吹けば玉散る萩のした露にはかなくやどる野辺の月かな
新古今和歌集(Tadamichi Fujiwara)
こんなに風情ある仕上げにしたのなら、「せっかく彫ってある言葉を沈金にすれば良いのに!」と僕は思いました。
それで、沈金体験に行こうと誘ってみました。
恐る恐る顔を見ると、ちょっと目が大きくなって「いいね!沈金。」といったので、世間話をザザザとしてから七尾へ直行しました。
七尾市の漆陶舗あらき
沈金体験は、予約が必要です。
沈金とは
木地に漆を塗ったものが漆器。
その漆器に傷、溝を作り金をつけるのが沈金
漆器に、漆をつけた筆で絵を描いて金をつけるのが蒔絵。
輪島塗や漆塗りの工程は、124工程もあるのだろう。分業制度だとは知っていたが、そんなにあるとは知らなかった。
おそらく、木を育てて管理して、伐採して木をくり抜き木地を作るところや、漆そのものを採取するところとか、漆の管理とか、細かく分けるとそのくらいに及ぶのかもしれない。すごい種類の業者とか職人がかかわってできる工芸品というわけだ。
早速体験してみよう
こちらが、練習用の漆器と、ニードルです。
体験なので、本物の道具は危なかったり手元が狂いやすいのでニードルという扱いやすい道具を使うことになっています。
何に沈金をするかを決めます
私は、お菓子を乗せる銘々皿(2,200円・税込)とお箸(1,100円・税込)にしました。
私はこれまで、「金箔貼り、蒔絵、沈金」の体験をしたことがありますが、どれも楽しいく、なかなか難しく奥深いものです。
モチーフやテーマを考えよう
私は、最初から決まっています。
星座が大好きなので、星座を掘ろうと思います。買うときも、星座かどうかということだけが重要です。
uto氏はなににしたかな?おおお、銀河にしたようですよ。
結構上手ですね。
カーブや円は難しいと言われている沈金
うまく弧を描くのは結構難しいんですよ。これは実際にやって見ないとわからないと思うけど。
uto氏は結構上手にやってますね。「僕は不器用だ」とかいっていたはずなのに、結構上手だと思う。
数時間、もくもくと削ってた。顔を見ずに会話していた。
沈金は、漆器の漆が塗られているものに傷をつけて溝を作っていきます。ガリガリと、思い切り削っていくんです。
削りおわった
仕上げはプロに
完成です
どうですか?けっこういい感じ!
uto氏はミニパネル(2,200円・税込)なので、そのまま壁に飾ったりできる実用品じゃないものです。おとめ座銀河団の重力レンズっぽくていい感じ〜!
私は、夏の大三角と天の川を描きましたが、ちょっと天の川を広げすぎてへんかなといっていましたが、海外生活をしていたuto氏によれば「ブラジルで見た天の川はわし座の南が広くなっていて、まるでこんな感じ」と、お言葉をいただきました。そうなのか!ブラジルに行ったことがないからわからないけど、あながちウソくさくもないんだなと思えて嬉しいです。でも、もっと上手に作りたかったなあ、なんて思います。
二週間はそのままにしておいて
彫ったところに、漆を塗って金を定着させます。彫った溝の中に金を沈めることから「沈金」と言われるようになったと、美人の講師が言ってました。わたしは、お菓子を乗せて実用品にしたいと伝えると二週間ほど待ってくださいと言われました。
おいしい上生菓子をのせて、お抹茶でもいただきたいでやんす。
沈金は楽しい
一度やってみれば、職人にはなれなくても似たようなことはできると思います。uto氏の今後の自作望遠鏡にこの経験がどのように生かされるのか、というところに着目していきたいですね。(圧力をかけてみる。w)
天気が悪かったり、観光に飽きた方には、こんな体験もオススメですよ!
石川県に来たら、一緒にやりましょう。
utoさん、東京からわざわざ遊びに来てくださりありがとうございます!楽しかったです。
ではでは!
コメント