こんにちは、星のソムリエ®︎ゆすらこちゃんデッス!
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今回は、星座の起源の続編になります。私にとっては、とても興味深い部分なので細かく書きましたが、実はこれでもかなりざっくりと簡略化しているんです。暗記せずとも目は通して欲しいです〜。
星座のルーツを探る vol.2
アムル人がバビロニア王国を興した。
バビロニア王国が、ハンムラビ王の時に全メソポタミアを支配しました。楔形文字を使ったあの人たちです。
ざっくりまとめると上の通りです。
で、肝心な星座は
バビロンで発掘された粘土板集「ムル・アピン」に、さそり座などの私たちに馴染みのある星座が登場します。
アピンは、シュメール語で「星」という意味だそうです。
テキスト『星空案内人になろう』では、おそらく「ムルアピン」のことを「新年祭」と訳しているみたいですね。
つまり、シュメール人が書かれたと思われる星座に関する記録がバビロニア王国時代に発見され、それらを星座の起源と考えても良いのではないか。と考えられています。
え?メソポタミアは?と混乱した人もいるかもしれないので、もう一度説明します。
メソポタミア全域を最終的にバビロニアが統治したので、バビロニア王国というのはメソポタミアのことを意味します。
メソポタミアはバビロニアのものということです。時代で呼ぶ名前が違うと考えるといいと思います。
北海道のことを、蝦夷地と言ってましたよね。
蝦夷地➡︎北海道 メソポタミア➡︎バビロニア くらいに考えておけば良いでしょう。
バビロニアとバビロンの違い
ここでも、ちょっとややこしいので説明しておきます。
バビロニアは王国の名前なので、国の名前ですね。
バビロンは都市の名前です。
日本/東京 バビロニア/バビロンみたいに考えておくと良いでしょう。
アピンはシュメール語で星という意味。
小さくないですか?粘土板。
まあ、日本で言えば、日本書紀とか古事記みたいなものでしょう。それに書かれている素材が粘土っていう。
こちら下の写真は、石でできているみたいですね。
下に置いておくための石だったみたいだけど、これを蹴ったり壊したりしたら神々に呪われるとかそういうことが書かれているらしい。
下の部分ね。
上の方は、金星と三日月と太陽のようです。
種まきや収穫に利用していた星座
1-2 vol.1でも書いてあるように、農業を始めていたようですから、種まき、収穫の時期の知らせとして、季節の変わり目を示す、目印として、星をカレンダーのように使っていたんですね。
ギリシャ神話と結合して発展
私たちが馴染みの星座は、メソポタミアで生まれその土地を開拓したシュメール人が「ムル・アピン」という粘土板にシュメール語で記録を残しました。もちろんバビロニアの時代では楔形文字にして星座の記録が残っていますしエジプトだって星の観察をしています。
フェニキア人は大きな船を持っていて貿易をしていたので、旅人からシュメールやエジプトやペルシャなどのはなしを聞いて、それらをギリシアに伝えて行ったんじゃないかと考えられています。
そして、ギリシアに伝わり、ギリシアの天文学者が本をまとめました。
それがプトレマイオス(トレミー)の『メガレ・シンタクシス』という書物となり、アラビア語に訳され『アルマゲスト』よ呼ばれ、その後中世ヨーロッパに広く普及しました。
これが、あの有名な、トレミーの48星座のことです。トレミーって、プトレマイオスの英語読みね。
Claudius Ptolemaeusというスペルなんですけど。Leonardをなんと読むか?というようなものです。レオナルドでもレナードでも。プトレマイオスでもトレミーでも。
全天88星座
そのあと、いろいろな天文学者が、隙間に星座を設定していって、収拾つかなくなったので
1928年に国際天文学連合が、88星座とその境界線を定めました。これは世界共通です。
北半球に44星座、南半球に44星座という具合に。
これは、さんかく座の境界線です。点線部分をイエローマーカーしました。雑だけどわかるでしょ?
全ての星座がメソポタミアというわけではない
全天には、88星座ありますが、その88星座の全てがメソポタミア起源ではありません。
のちに、天文学者たちが新たに星座をたくさん設定しました。
バイエルは南に位置する星座を多く設定しましたし、フランスの天文学者ラカイユは、がか(画架)座というイーゼルの星座を設定しました。他にも王のために作った星座とかたくさんあるのですが、それらは今もう88星座の中にはありません。ですが、分割されて別の星座として88星座の中で生まれ変わっています。
新しく設定された星座には神話はありません。
まとめ
・私たちが現在使っている星座の中で起源が最も古いものは、古代メソポタミア文明まで遡ることができると考えられている。
・1928年、国際天文学連合で定めた88個の星座とその境界を世界共通に使っている。
参考文献
知りたいサイエンス『星空案内人になろう!』柴田晋平ほか=著(技術評論社)
『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』近藤二郎著(誠文堂新光社)
『Pocket Sky Atlas』 Roger W.Sinnott SKY AND TELESCOPE
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