星のソムリエ®︎ゆすらこちゃんです。今回は星座の起源について学びましょう。
星座のルーツを探る vol.1
みなさんは、どんな星座が好きですか?
わたしは、北海道人なので北斗七星が好きです。
でも、北斗七星は星座じゃないよ、アステリズム。
ところで、星座のルーツって一体どこなのでしょう。
星座の起源はどこ?
・黄河文明
・インダス文明
・メソポタミア文明
・エジプト文明
こんなことを思った人もいるかな。「あれ?ギリシャじゃないの?」って。
うん、そういう疑問を持つ人の方が多いみたいだよ。
メソポタミア文明が星座の起源と言われています。
メソポタミアの星座の分野に関しては、2010年に発行された『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』近藤二郎著を参考にした内容を中心に書き進めていきます。
メソポタミアの文化
メソポタミアは現在のイラクに当たる場所で、ティグリス川とユーフラテス川の流域です。
ティグリス川は1800km、ユーフラテス川は2800kmもあります。
日本列島がだいたい3000km。そう考えると、とっても長いですね!!
人類最古の農業
テル・アブ・フレイラ(Tell Abu Hureyra)
今から13,000年以上前に穀物を栽培した跡が見られ、現在のところ人類最古の農業の例となっているようです。場所は、メソポタミア西部レヴァントで現在のシリアに当たる場所です。
先土器新石器時代
紀元前8300年から紀元前6000年ごろ、穀物の栽培と牧畜が開始されていました。
紀元前6000年から紀元前5500年ごろ、ハッスーナ期 北部メソポタミア最古の農耕集落が登場します。
紀元前5600年ごろから紀元前5000年ごろ、サーマッラー期は特に詳しい記述が探せませんでしたがハッスーナ期の延長と考えて良さそうです。
紀元前5500年ごろから紀元前4300年ごろ、ハラフ期 初期の農耕集落はさらに発展し、彩文土器なども見られるようになります。
3つの文化が栄えていたそうです。
南メソポタミア ウバイド文化、ウルク文化
紀元前5500年から紀元前3500年ごろ、南メソポタミア地域では初めてのウバイド文化が起こります。
ウバイド文化は、川の増水が多かったので灌漑を利用した農耕が発達し、生産性が飛躍的に向上したことで、南メソポタミアが、北よりも優勢になります。
紀元前3500年から紀元前3100年ごろは、ウルク文化の時代となります。南部の有名な都市国家であるウルクを標準遺跡とする文化で、この時代をウルク期と呼んでいます。
ウルク遺跡は、ユーフラテス川下流域の北岸に位置していて
現在は「ワルカ」シュメール語では「ウルク」『旧約聖書』では「エレク」と呼ばれている都市です。
都市の中央部には巨大な神殿群が存在し、最古の粘土板文書も発見されています。
粘土板文書の中には「王」を意味する文字記号が含まれていることから、王権が確立していたことが判明しています。
紀元前3100年から紀元前2900年ごろは、ジェムデト・ナスル期がウルク期の後に続き
紀元前2900年から紀元前2350年ごろに初期王朝時代となります。
都市国家の対立抗争
南部メソポタミアを中心に、都市国家感は領土や覇権を競って対立抗争をしていました。
なかでも有名な四つの各都市には、それぞれ神が祀られていました。
シュメール最古の都市の一つ、「エリドゥ」は知恵の神であるエンキ神。
有名な都市国家「ウル」は、月神ナンナ。
「ウルク」は天空の神であるアン神とその娘イナンナ神。
アッカドとシュメールの境である上流「ニップル」では、最高神である嵐の神、エンリル神を祀っていました。
初期王朝時代の都市国家の対立抗争
北の地域では「キシュ」
南の地域では「ウル」「ウルク」「ラガシュ」
有力な都市国家として登場します。
結局、アッカドとシュメール両方を領有するアッカド王朝樹立
紀元前2350年ごろ、アッカドのサルゴン王はシュメールのルガルザキシ王を破り
紀元前2350年から2紀元前100年ごろアッカド王朝が樹立されたのです。
かなり栄えたアッカド王朝
サルゴン王の孫、アッカド王朝第4代ナラム・シンが四方世界の王となりました。
北シリアのエラブ、北メソポタミアなどを領有し、自らを神格化したのでした。
自分で、神がかっている王だと言ってたということですね。
アッカド王朝は、西は地中海、東はペルシア湾まで領有する国家として非常に繁栄したそうです。
しかし、王の死後急速に勢力衰退し異民族(エラム人やグディ人)の侵入によって、アッカド王朝は崩壊していきます。
その後、ラガシュ(南の地域の都市国家)がグデア王のもとで、一時的に繁栄を享受して
紀元前2100年から紀元前2000年ごろの100年ほど、ウル第三王朝、シュメール人最後の王朝として繁栄したのです。
参考文献
わかってきた星座神話の起源 近藤二郎著
絵が多くて、パラパラ見るだけでも楽しい気持ちになります。
そして、現代の星座の原型がやはりメソポタミアからのものであると、共感するには十分すぎる一冊です。
参考文献
知りたいサイエンス『星空案内人になろう!』柴田晋平ほか=著(技術評論社)
『わかってきた星座神話の起源 古代メソポタミアの星座』近藤二郎著(誠文堂新光社)
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