★004【星空案内人】さあ、はじめよう1-3 星の明るさ

★003【星空案内人】さあ、はじめよう1-2 vol.2 星座の起源

こんにちは、星のソムリエ®︎ゆすらこちゃんです。

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前回の星座の起源からガラッと内容が変わります。中高の物理のような内容です。頑張っていきましょう。

星の特徴をとらえる

星によって違う明るさ

星には、「明るい星」と「暗い星」があります。

等級は英語でマグニチュード(magnitude)と言います。

明るければ明るいほど等級の数字は小さくなり、暗ければ暗いほど数字は大きくなります。

夏の大三角で有名なベガは、0等級です。

等級をつけた天文学者たち

ギリシアの天文学者ヒッパルコスは、星の明るさに6段階の等級をつけました。

イギリスの天文学者ジョン・ハーシェルは明るさを比較し、等級が0.41上がるごとにその明るさが二乗に反比例して暗くなること、さらに、1等星は6等星の約100倍の明るさであることを発見しました。

ポグソンというイギリスの天文学者は、さらなる研究で「ポグソンの式」を提案しました。これは、星の等級とみかけの明るさの間の関係を定めた式です。

1等星は2等星の2.512倍で約2.5倍ずつ明るくなり、6等星と1等星とでは100倍の明るさの違いが在るということの計算式です。

{\displaystyle m_{2}-m_{1}=-2.5\log _{10}(b_{2}/b_{1})}
ポグソンの式

m は等級、b は輝度(フラックス)

整数でしか表せなかった等級が1.2等星や3.5等星などと小数を使って表せることになったのです。

それから現在でも、5等級違うと100倍違うと定義されています。

また、等級は恒星、惑星、彗星、流星などの明るさも表すことができます。

等級にも定義によって様々な種類があり、地球から見た明るさを示すものとしては見かけの等級、距離によらず天体の明るさを比較する為の指標としての絶対等級などがあります。

ただ、難しいなと感じている人はこの上の図のように、感覚で捉えているだけでいいです。

これを言えたら、たしかに立派です。しかし、このような説明よりも一つでも星の位置を覚えることの方が大事だと思います。

あくまで、星空案内であって公式を説明することが目的ではありませんから。

星の色もいろいろ

夜に星を見ると、肉眼でも星には色の違いがあることに気がつきます。白っぽいとか、青みがかったとか、オレンジっぽいとか、赤いとか、よーく見ると色が見えますね。

わかりやすいのは、はくちょう座のくちばしの部分、アルビレオですね。宮沢賢治氏が『銀河鉄道の夜』でアルビレオのことを「トパーズとサファイヤ」と表現したことは有名な話です。

星の表面温度

星の表面温度で、色が決まります。

夜空で輝いている星は、自らが光を発している「恒星」です。

太陽と同じように高温のガスが球状に集まっています。
恒星の中心部では「核融合反応」が起き膨大なエネルギー反応が発生しています。

このエネルギーをもとに、恒星は高温を保ち続けているのです。

そして、星の色の違いはその星の表面温度に由来しています。
暖められたガスがその温度に応じて色の変化を引き起こしているのです。

一般に高温の物体は、温度に応じて色を変化させます。
この現象のことを「熱放射」と呼びます。

青白い色は表面温度が高く、赤い色は表面温度が低い。

光の性質

 光は、光の色によって屈折率が違うため、プリズムを通すと光は分離します。虹は、光が分離した状態と言えます。赤い光よりも紫色の光の方が大きく曲がる性質があります。青い光は散乱しやすい性質を持っていて、赤い光は少しは散乱するけれど青に比べて散乱せず突き抜けていくのです。青空と夕日の関係のところで習いましたよね。

それは、波長の違いとも言えます。

赤色の光の波長は長く、紫色の光の波長は短いです。

光は電磁波

電磁波というのは、振動数によって呼び名が変わります。

振動数の高い順でいうと、γ線、X線、紫外線、可視光、赤外線、電波。

この中で、人間が網膜に感じて目で見ることができるのは可視光です。

可視光の中でも、振動数が低いものもあり高いものもあります。

振動数の高い方から

紫、藍、青、緑、黄、橙、赤

プリズムなどを用いて光を振動数順に分けたものをスペクトルと言います。

温度が高い星では、星を構成する原子は熱運動で激しく揺れ動き、振動数の高い波を起こし、青い光をよりたくさん発します。温度が低い星では、星を構成する原子の動きはより遅く、赤い光を多く発します。このようにして高温の星は青白く、低温の星は赤く見えるのです。

知りたいサイエンス『星空案内人になろう!』柴田晋平ほか=著(技術評論社)

まとめ

・恒星には色の違いがあり、青白い色は表面温度が高く赤い色ほど表面温度が低い。

・星の明るさの尺度である「等級」は古代ギリシアで考案され、その後科学的な測定が行われた。現在では、「1等星は6等星よりも100倍の光量を持つ」と定義されている。(1等級の違いは約2.5倍の明るさの違いに相当する。)

参考文献

知りたいサイエンス『星空案内人になろう!』柴田晋平ほか=著(技術評論社)

『星座を探そう』藤井旭著(成文堂新光社)

『星の色』大沢清輝(地人選書6)

星のソムリエ®︎

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