2021-05-27 19:30-21:00
今日は、2名欠席、体験者の方1名です。
今回は、前回の続きです。
デッサンスケールをひいていく内容です
自分の写真が、構図のどのパターンに当てはまるのか?それらを考えていきます。受講生の方は、たくさん写真がありますからね、様々な写真を撮影されてきたので当然パターンもいろいろ。だから悩む。そして、見えてくるものもあります。
作業の様子
撮影した写真を並べると、被写体の好み好きな構図が見えてきます。
お花が好きなんですね、対角線構図が多いみたいですね、
心理テストではないけれど、撮影者の好みが写真に滲み出てきます。
考えながら、悩みながら線を引く。自分の写真としっかり向き合う大切な時間。
「この写真は、本当にこの構図パターンに当てはまるのかなあ?」こんなふうに感じることが大切です。
プリントした写真や、まだプリントしていない写真を見比べて、自分を振り返ります。自分は、こんな構図パターンで写真を撮っている。このパターンが好きなのかも。そんなことが見えてきます。
銀塩時代には、写真に厳しいルールがあった。
これは本当です。具体的にどういうことかと言うと、
例えば、シンメトリー構図は良くても二分割構図は縁起が悪い(真っ二つに切るのは腹切りみたいで演技が悪いから?)から。といったような事を昔の人が言っているのを聞いたことがあります。自分も、むかーし、そのように習いました。
他にも、構図ではありませんが逆光の際に起きるレンズフレアなどもタブーだった。でも、今はそんなことをいう人も少なくなりました。そういうルールから解き放たれた時代になりつつあるのだと思います。
この写真、空がたくさん写っていますがこの写真の構図は、構図で分類すると二分割です。
上下の割合が、必ずしも5:5じゃなくってもいいんです。3:7でも4:6でも、パキッと分けられる境界線一つの場合、ここでは二分割として扱います。
※三分割で考える場合は空と海の割合が2:1、四分割で考える場合は空と海の割合が3:1と言ったように、何で考えるのかということで割合が変わってきます。結局、撮影者が何を意識して撮ったかというところで●分割というのは変わってきます。
例えば、ここでは上の写真は二分割(境界線が一つで空と海が上下に分かれている。という見方)として扱いますが、三分割目線で見ると空と海の割合が1:2となります。見る人によって解釈が変わってくるため、どちらが正しいとか正しくないという定義を示すものではありません。
他にもいろいろ
「遠近感」が出やすいので空間の広さを捉えやすいですね。広角レンズが得意とするというか、広角レンズを使うとこんな風に写るものも多い気がするね。
三角構図は、安定感が出ると言われている。日本のお寺や神社がこんな構図になりやすい。大きな建築物を、下から見上げるんだから、当然三角みたいになるわけで。
見る人によって、写真の印象が変わるということ
撮影者が撮影した写真の中には、意図したものとそうでないものがあります。偶然、こんな風に撮れた写真で「なんかいい感じだ。」っていう写真も多くある。名作なんて言われている写真の中にもそんなものが紛れているだろう。
撮影者の意図とは別に、作品を見た人によって見え方が変わる。
例えば、受講生Cさんの、あるお花の写真に着目しました。
その写真は、2つの見え方ができる写真だと思ったので皆さんに紹介してみところ、
①対角線構図に見える人と、②アルファベットのV字に見える人に分かれたのです。人によって、見え方や捉え方が異なるということです。
写真の中に様々な構図の要素が含まれているということ
これはつまり、「対角線構図の要素」と、「V字構図の要素」が含まれた写真ということになる。偶発的に起こったものかもしれないが、撮影者の潜在意識下で無意識のまま自然にそういう形を捉えてシャッターを切ったというふうに考えられる。
日の丸構図+二分割構図
太陽、まあ、夕陽だね。日の丸構図に、空と海の境目が二分割に。
※空と海の割合を2:1に感じる人にとっては、この構図は三分割では?と思うかもしれません。思うのは自由です。ここでは、境界線が一本で上下に分かれているような場合を二分割として紹介しています。
放射線構図+C構図
放射線構図で紹介した写真。こチラは、2012年にロンドンの地下鉄へ向かうためのエスカレーターを撮影したもの。ロンドンのエスカレーターはドーム状になっていて広告がポスターじゃなく縦型のモニターだった。
わかりやすい放射線構図でありながら、Cや旋回しているようにも見える。わざわざ、「なんとか構図」と当てはめる必要があるのだろうか。絵では必要な用途と思う。写真では、わざわざ意識をする必要はないと思う。
構図という呪縛
私自身、写真を始めたときに構図というものがよくわからないと感じることがよくあるし、難しいなと思うことがよくある。
でもそれは、構図のパターンに囚われていたせいだと気がつきました。パターンに当てはめる必要なんてないのです。(私個人がそう思います)
マナーは絶対、写真の構図は自由!
写真撮影におけるマナーは、絶対に守らなければなりません。これは絶対です。しかし、構図は自由に感じたままシャッターを押せばいい。
だけど便利な構図パターン
写真を、「どう撮っていいのかわからない」「何をしたらいいんだか、、、」と言う人は、この構図のパターンに従ってとりあえず撮ってみたら良いですね。これはあくまで提案です。アイデアが浮かばない人が使う、レシピの一つ。ということです。
そんな中、「あ、これいいじゃん」「これは、フツーかな」「これは、いい感じ」って、写真を撮りながら一枚一枚見ればいい。自分が「好き」「いいな」と、思うように撮ればいいのです。
どの構図パターンにも、当てはめ難い写真
実は、今回の内容で受講生の写真の中に、どの構図にも当てはめるにはなんだか難しいなあ。という写真がたくさんありました。その理由は、先ほど述べた「様々な要素」です。
写真と言うのは難しいもので、「観光ポスターやカレンダー、広告写真」から「学術的資料価値のある写真」、「オシャレな写真」、「感動的な写真」、幅広く色々あります。写真には、目的のあるものから素材として扱われるものから、自由で楽しい写真までいろいろあるということです。そういった写真に、わざわざ構図を当てはめる必要はないんですよね。じゃあ、構図パターンに当てはまらない写真ってダメなの?悪い写真なの?
いいえ、関係ありません。構図パターンに当てはまらなくっても素敵な写真はたくさんあります。
自己分析?に役だったかな
今回は、受講生が自分の写真を「構図」というパターンを使って見つめ直す時間となりました。自分の撮影する写真の傾向があからさまに見えてきたり、好みが見えてきたりしたわけです。
皆さんも、是非自分が撮った写真をそんなふうに分析してみるのも悪くありません。
すなわち構図とは
要約すると構図に捉われず、好きなように撮れば良いんです。「まずは撮る。」撮らなければ何も始まらない。
次回は7月8日(木) 課題もあります
課題内容ですが、被写体は自由です。小物でも風景でも人物でもなんでもいいですよ。
「同じ被写体で3パターンの構図を撮ってくる。」というのが課題です。素晴らしいロケーションへわざわざ行ったりそういう場所を探して遠征をしたりする必要はなく、身近な場所やもので撮ってきてください。ジュースの空き缶でもいいし。公園の遊具でもいいし。なんでもです。
一ヶ月ほど講座が空きますが、それまでコロナに負けずご自愛くださいませ。
では!
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