【思いが伝わる!見せたくなる写真教室】第29回 色の性質を写真に活かす

2020-07-09 19:30-21:00 @イオンタウン野々市スタジオ

みなさんこんにちは、講師の清水です。更新が遅くなってしまいましたが、次回の講座内容と連続した内容ではないためご安心ください。

色といってもイロイロ。。。

写真撮影において、色というのはとても重要です。こんなことを言うと色盲の方やモノクロ写真を否定していると思われてしまうかもしれませんが、そんなことではありません。

写真での色表現というのは、とても難しいと思います。こんな風に見えていて、ここの部分はこんな色に写したいのに、うまく表現ができていない!!

カメラの性能はどんどん上がっていても、自分が見て感じた通りに写真に色が反映されていなかったり、自分が見て感じている以上に色が濃すぎる仕上がりになってしまったり、理想的な合致となる写真撮影というのはとても奥が深いものです。

被写体の色

昼間、太陽が燦々と輝いている時間帯に写真を撮影すると、とっても色鮮やかな写真になります。夕暮れの薄暗い時間に写真を撮ると、モノクロやセピアのような色あせた感じのムーディな写真になります。それらは光量の違いによるものです。(もちろん、それだけじゃないけど)

色の要素

色の要素には3つあります。

①色相

赤や青、緑など、色味の違いのことです。

②明度

色の明るさ暗さのことです。

③彩度

色の鮮やかさのことです。vividというと伝わりやすいでしょうか。

色相環

色相環なんて言葉を習うのは、美術やデザインのお勉強をされている方です。授業で習うこともありますが、習わない方もいるようです。

マンセル色相環として表示している色は、私がワードで適当に作ったものなので正しい色ではありません。ここは、写真の色を活かすための説明用なので厳密な色については追求しませんのでご理解ください。(色についてのクレームも受け付けません。)

補色

ここでは、マンセル色相環を12色で表現しています。

補色というのは、この図の中でいうと、赤の補色は水色です。青の補色はオレンジ色です。

色見本によっても差があり、場合によっては青の補色が赤になったり、青の補色が黄色になる場合もあります。そのため、厳密に色がどうという説明は私にはできません。色彩の専門家ではないのです。

だいたい、色の反対側にある色が補色っていうことをぼんやり理解してくれればいいなあと思うのです。

なぜそんないい加減な説明なのかというと、赤い色といっても、薄暗い赤や、半透明のような赤や、さまざまな赤い色をほぼ無限に作り出せるからです。青といっても、どこまでが青で。。。というとキリがありませんよね。そんなことが大事なのではないのです。違う色と違う色が、写真の中に写っているから、鮮やかな写真だなあと感じたり、落ち着いた写真だなあと感じたりするということなのです。

ここでは、この細かい色の細分化に固執せず、だいたいの補色ということがわかっていればそれで良いのです。

色の組み合わせ

ひまわりの写真は、黄色と緑色で同系色なので、落ち着いた印象になります。

ヒガンバナの写真は、赤と緑で補色や反対色の関係になり赤色がキリリ!と引き立っています。

明度

明度は、色の明るさのことです。光っているところは明るいので白くなりますね。光が当たらないところは暗いので黒に近づきます。光の量だけで、写真がこんなにも変化してしまうのです。

彩度

彩度は色の鮮やかさのことです。彩度が高くなると、色がより濃くなり、どぎつい感じになったり、はっきりと色が分裂して見やすくなったり、あざとくなることもあります。彩度が低いと、落ち着いた感じになったり墨絵のような穏やかな感じになったり、地味な感じになったりします。

自分のイメージが大事

今は、カメラの性能が上がり、「撮ったらこんないい感じに写った。」という上手に撮れちゃったパターンの写真が世の中に多くあります。

私はそれを、悪いことだと思わない。むしろ良いことだと思っている。カメラやレンズという精密機器を扱っている会社が何十年、何百年と先代の知恵や技術を引き継いで生かして磨いて出来た汗の結晶だと思うから。簡単に、良い写真を撮らせてくれてありがとう。そう思う。

でも、カメラの機能はそれだけじゃない

ただ、せっかく写真教室に通ってくださっているので「自分がイメージした写真」を撮れるようになってもらいたいです。

受講生の方にはカメラに扱われているのではなくて、カメラを扱える人になってほしいです。

カメラの中にはいろんな機能がたくさんあって、全く使われずに手放されたりユーザーに評価されなかったりしているカメラも多くある。それは悲しいので、もっとカメラと仲良くなってほしい。でも、こんなに使いきれないなと思うほど機能が多いんじゃないの?という気持ちもある。(笑)

イメージ通りの写真が撮れればそれでいいのだけど。

カメラの中にある機能を使ってみよう

受講生の方は、それぞれ違うカメラを使っているのでちょっといじってあそんでみましょう。

わざわざ変える必要はないけど、ワンタッチで色を変えられるし、同じ被写体で色味を変えてみると、こっちの方が好きかな、この被写体ならこのモードの色味の方が好きだな。と、自分の好みの写真の選択ができる。この選択が、自分らしい写真追求の第一歩だ!

他にも、ホワイトバランスで変化させたり、フィルターを使ったり、カラーフィルムなどを使ってトイカメラ風な仕上がりにもできる。

欠席された方は、ぜひ、同じ被写体の前に座り込み、モードを変えて写真の色の違いなどを見比べていただきたい。

カメラって面白い

カメラって、一つ一つ個性があるんです。メーカーによっても、同じメーカーから出ていても機種が違えば、色の印象が全く変わる。レンズを変えても、また変わり、フィルターをつけてもまた変わる。そして、撮影者によっても写真が変わる。

上手いか下手かは置いといて、「この写真は、誰が撮ったのか」が、分かるような自分らしい写真を追求していってほしい。

次回

次回は、「夜景の撮り方について」です。三脚の使い方についても説明します。三脚をお持ちの方で、使い方に自信がない方は三脚をお持ちください。三脚をお持ちでない方は、安物のダメな三脚を無理やり買って持ってこようとしないでください、持ってこなくても大丈夫です。三脚がない場合でも、撮れる方法を教えます。

【思いが伝わる!見せたくなる写真教室】第30回 夜景の撮り方①
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