【思いが伝わる!見せたくなる写真教室】第150回 課題発表 テーマ「好きな星座」

2025-07-24 19:30-21:00 北國新聞文化センター | 写真教室 講師: 清水 梅子ゆすらこ

最近、課題発表の内容が続きます。受講生の皆さん頑張っています、すごいことです。

さて、今回の課題は「好きな星座」というテーマで広角から標準レンズ(受講生が持っているレンズの範囲で)で撮影していただきました。天気が優れない場合は、なんの星(恒星)か分からなくていいから、一つの星を撮ってきてくださいという内容です。ピント合わせの練習、露出の確認ができます。

星座というのは、1928年に国際天文学連合が全天88星座を定作しました。その時に、星座の境界線を決められたのです。この話は、毎年講座で行っています。

★003【星空案内人】さあ、はじめよう1-2 vol.2 星座の起源

境界線は決められているのですが、好きな星と星を線で結ぶことは自由で、境界線に囚われず好きに線を引いて良いのです。それは、見る人の自由。ですが、この教室でやらないで欲しいのは「適当に撮ってから、後から星と星を線で結んだ」っていう副産物的な撮影の方法は、やるのは自由ですが、この教室でそういう写真は持ってこないでください。意味を感じません。

夜空に浮かぶ星空の中、古代の人たちが何かに見立てた星座を適当に撮影して、わざわざ別の星座に見立てる必要はないと思うんで。まずは、基本的なオーソドックスな星座を理解して撮影してください。

星座の撮影は、同じ星座で同じ焦点距離を指定した場合、ほとんど同じような写真になります。違いが出てくるのは、構図です。星座のどこを中心と考えて撮ったのか、その人の考えが構図に現れます。(もし、うまく撮れていた場合)

また、こういうつもりで撮ったが、ズレているという場合もあります。夜空には、方眼線のようなものはないので、慣れていくしかないのです。

奥が深い被写体なので、根気よく取り組みましょう。

課題発表の様子

「いて座」©︎Mamiko Maruyama
「いて座」©︎Mamiko Maruyama
「いて座」©︎Mamiko Maruyama

南斗六星を目印に、いて座を撮ったそうです。石川県は南北へ広がる土地なので、いて座を撮る場合、南の空が開けていないと厳しいです。みなみのかんむり座まで写っていますね。良い場所で撮影されました。雲の反射で露出がうまくいっていないようです。天気が残念ですが、また頑張ってください。露出は少し抑えてもいいかな、ピントももう少しシビアに狙ってみてください。構図は、いて座が矢を射るイメージなのか、ミルクディッパーがイメージなのかあやふやで惜しいので、イメージの方向性も考えましょう。

「アンドロメダ座」©︎Kenji Torigoe
「アンドロメダ座」©︎Kenji Torigoe
「アンドロメダ座」©︎Kenji Torigoe

もともと天の川の撮影が好きだった鳥越さん、今回はアンドロメダ座を撮ってきてくれました。秋の星座なので、まだアンドロメダ姫は横たわってます。星座線を引いた図も用意してくださいました。ただ、「右手に何かを持っていたような。」とのことですが、生け贄になってるので手に何か持っていると言うより、鎖で手首を縛り付けられている様子になります。M31(アンドロメダ銀河)がはっきり写っていて、クリアな星空だったことを想像させます。撮影日時は聞き漏らしてしまいましたが、23時ごろでしょうか。夜間までの撮影、がんばりました。ピントも露出も完璧です。拍手。

「カシオペヤ!?」©︎Makiko Otera
「カシオペヤ?」©︎Makiko Otera
「カシオペヤ?」©︎Makiko Otera

実は「北斗七星を撮ったのですが、先生のblogを読んだら違うと思って、撮り直してきました!カシオペヤであっていると思うんですが」と、再撮影のエピソードをお話ししてくれました。blogを読んでくださりありがとうございます。blogには講師からのヒントやメッセージが文の中に隠されています。困った時はまた、読んでみてください。

住宅街から撮影したであろう星座ですが、とても空気の状態が良いのか、コントラストが良く綺麗に撮れています。条件の良い時に撮影しているというのが写真を見た時の私の第一印象でした。また、その条件を見逃さずにそのタイミングで撮影したことそのものが偉い!焦点距離28mmだと、ケフェウスとカシオペヤの夫婦の撮影もできると思うので、エチオピア神話のストーリーを前提とした星座撮影も今後は挑戦してみても良さそうです。ピントも露出も上手です。

かんむり座 ©︎Shigehiko Furuya
かんむり座 ©︎Shigehiko Furuya
かんむり座 ©︎Shigehiko Furuya

ふるやんは、最近入会してくださった受講生さんで、カメラはD40です。2006年ごろに発売されたアレ。壊さずに、ずっと大事に使っています。さて、星座を撮るのは当然初めてで、どんな星座撮ってくるのかなと思ったら「かんむり座」。初心者が狙う星座じゃないねww ちゃんと写ってます。

ふるやんに関しては、星の撮り方などを全く教えていませんのでピントや露出に関してシビアなことを言うつもりはなかったのだけど、ちゃんと星座を捉えてくる構図力があるので、できていない部分について一緒に考えます。

このカメラには、バリアングルがない。モニターも、スマホの3分の一くらい。ファインダーで視度調整をしているけど、あまり期待できない。デジカメだけど、フィルムカメラみたいだwww

さて、他にもいくつか星座をしっかり捉えていた。露出もいい。ピントだけが合っていない。このカメラでファインダーを使ってジャスピンを狙うのはかなり難しい。ライブビューでピントを拡大画面にして合わせるという機能もないのでそれはできない。では、どうしたらいいの?それは、何回かレンズのピントを少しずつずらして合わせて撮っていくしかないんだよね。救いなのは、デジカメだから撮った後にすぐ確認できると言う点。フィルムカメラ時代のナイフエッジに比べれば断然コストも労力もお得です。現代のデジカメに比べれば手間はかかるけれど、今のところこのカメラで撮影するなら対策はそれしかないね。

初めて撮ってきて、これだけの星座をしっかり撮ってきたのだから僕の昔使っていたカメラをお貸しします。ペルセウス座流星群、撮ってみてください。

みんなで鑑賞会

北國新聞文化センター | 写真教室 講師: 清水 梅子

みんなで撮影した写真を鑑賞します。星座を見つけられたでしょうか?

北國新聞文化センター | 写真教室 講師: 清水 梅子 / 【思いが伝わる!見せたくなる写真教室】第150回 課題発表 テーマ「好きな星座」

こうしてみると、露出について差がありますね。気象条件、撮影の設定などで色々変わってきます。

さて、次回はリベンジをしたいとリクエストをいただきましたので、広い意味で課題を出します。

次回は、2025年8月7日(木) 課題「好きなほしぞら」

「好きなほしぞら」は、広い意味で解釈してください。「好きな星座」でも良いですし、アステリズムでも良いです。星景写真でも良いですし、天の川でもO.K.です。もし、撮影中にペルセウス座流星群らしき流星が写ったら、それは9月に提出する用に保管しておいてください。また、撮影時間はカメラに記録されているので、その時の流星がどの方向から流れていたのかをしっかりメモしてください。

※例えば、カシオペヤ座の方からケフェウス座の方へ流れた。などのメモをしておきましょう。

真夜中3時頃まで粘ると、ペルセウス座流星群の放射点が一番高い位置にくるので、自分は寝てカメラに仕事をさせると言う方法もあります。あとは暑さと、虫、結露との戦いです。

星に願いをかけられるのでしょうか?

頑張るのみです。

幸運を!

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