2025-10-23 19:30-21:00 北國新聞文化センター | 写真教室 講師: 清水梅子

皆さんこんばんは、今日も全員出席です。第40回海岸愛護写真コンクールのテーマに沿ったものを撮ってきてくださいという課題を出しました。
上手く撮れたら、そのままコンクールに提出しましょう。プリント代金や送料は自費ですが、参加費はかかりませんし、自分が撮影した写真を拡大する楽しさも味わっていただきたいと思います。
作品にはタイトル必須、撮影データも書き込もう
今回、キャプションを新しくしました。

日付のところがちょっと狭いですね。

キャプションを書けた人から、どんどんホワイトボードに張り出していきます。
受講生による課題発表
「加佐ノ岬の光芒」©︎Mamiko Maruyama
仕事の帰り日没に合わせて、16:30に現地につきました。ここはパワースポットなんですけど、いつも皆さんがSNSに投稿している写真を見て撮りたいなと思って撮りました。下の写真は、橋立漁港で写真で撮ると日本の港じゃないみたいで空も綺麗だったので撮りました。

講師からコメント: 撮りたいものがイメージ通りに撮れたならよかったです。せっかく素敵な景勝地へ行かれたのですから、もう少しゆっくり被写体と向き合って、構図に没頭する時間があると良かったですね。タイトルにわざわざ「光芒」という言葉を入れたわりにこだわりが感じられません。もう少し絞りの設定を勉強する必要があります。また逆光気味の写真は特にセンサーゴミが目立ってしまうので、カメラのメンテナンスをもう少しがんばりましょう。
「異邦海岸」©︎Kenji Torigoe
海岸の岩を撮ってきました。3回ほど行って、アングルや構図撮るのにやっと納得のいくものとなりました。岩肌を強調したかったので、日没前の光に力のあるタイミングで撮影したものを採用しました。高い位置からと低い位置からの2パターンで撮ってみました。

講師からコメント: あの海、私もいった事がありますよ。不思議な形の凝灰岩が連なっていて面白いところです。光と凝灰岩の質感へのこだわりも上手に表現されています。マッターホルンのようなとんがりを強調したアングルや、上から撮ってみるアングルなど、夕日と砂浜と岩を入れつつ試行錯誤して構図を考えてきた努力が伝わってきます。誰もが行く場所で、誰かが撮ったようなありふれた写真を撮るのではなく、「あの海でこんな構図は初めて見た!」と言わせてくれる新しい構図を生み出したと思う。いつも、写真に情熱を注ぎ込んでくれてありがとうございます。
「日が灯る」 ©︎Makiko Otera
仕事帰りに海へ寄って撮りました。周りに大学生が遊んでいたので、その痕跡と足跡を入れて撮影してみました。その後日没になったのでキャンプファイヤーに見立てて撮ってみました。自分のディスプレイで見ていたものには、ハロというか光線のようなものが写っていたんですが、プリントしてみるとそういったものが写ってなくて、ちょっと残念。

講師からコメント: 大学生が作った青春の痕跡をドラマチックにとらえた一枚。素敵な写真だと思います。シンプルな構図で学生さん達が創作した天然の漂流物アートというストーリー性をもたらす要素が効いています。タイトル「日が灯る」にはキャンプファイヤーに見立てた「火が灯る」とかけていてタイトルの捻りもエクセレント!
「行けるかなぁ?」©︎Shigehiko Furuya
釣りをするので、金沢港へ行こう!と思って「ちょうど豪華客船が来ている!」と思ったので、撮ってみたんですけど、人が全然いなくて寂しい感じになったのと肖像権のことが心配だったので、これはサブカットにしました。選んだ写真は別の日に、撮りました。ライトがうまく海に反射しているコレが撮りたかった!

講師からのコメント: 望遠レンズのサブカットは、ミニチュア写真みたいで個人的には好きなんです。ピントがあっていなかったのでカメラの調子が悪かったのかな、、? また様子を見てみてください。隣の白い光と並びながらオレンジのライトが作り出したリフレクションは、レッドカーペットみたいに見事に夜の海に敷かれました。撮りたいと思うものが撮れるのは嬉しい事ですね。
「波しぶきに不動のこころ」©︎Kana Mizukami
CCZに行ってきました。雲とテトラポットと波と砂浜という景色の中に、カモメがいて、波しぶきが撮れたのでこの写真にしました。曇り空だったので、モノクロにして撮ってみました。他の写真は、カモメの群れが飛び立つところ、砂浜に波跡ができているところ、など、いろいろなバリエーションを撮ってきました。

講師からのコメント: 荒ぶる海の激しめな波しぶきに惑わされることなく、動じない肝の座った野鳥の強さを表現したのですね。天気や自分が見て感じた目の前の風景に合わせてフィルムシミュレーションに切り替えて撮影。これはFUJIFILMの関係者が喜ぶでしょう!さまざまな構図で、いろんな写真を撮られてきたもの、海を楽しまれてきたのが伝わってきます。自分で1枚を選びタイトルを決める。なかなか難しい工程なんですが、毎回クリアしていて感心します。自分が初心者の時、そんなことできただろうか、と。
みんなで鑑賞会!
海岸というテーマで、全員が違うロケーション(海)で、全然違う写真を撮ってこられました。実に面白い。石川県は、半分以上海に面している土地なんだもの。

石川県に住んでいる人は、たくさん海の写真を撮るべきですね。すぐ海へ行けるんだから。。。
ちょっと構図パターンのお勉強
以前、アテクシが作ったオリジナルゲームがあるんです。構図のゲーム。
まあ、構図のというか、カメラ設定を指定されて、被写体も指定されて、構図を指定されてしまうゲームなんです。でも、カードは受講生がおみくじみたいに、引き当てるシステムなので、選べません。この被写体でこの構図は無理だろう。みたいな、難しい要求をされることもありました。今回は、新しく入講されてからまだこういったことを学んでいないMさんに、みなさんが撮影してきた写真から、構図パターンの説明を少ししてもらいました。

構図パターン、と言うのは別に学ぶ必要がありません。写真は、基本的に好きなものを好きなように撮るのが構図なんです。どう表現したいから、どう撮る。とか、そう言うことを自分の力で考えられない人には必要なものです。感覚的なものが冴えている人、自分の心に撮りたいものがある人、そう言う人はそれを優先して撮って欲しい。パターンなんていうつまらないものに当てはめるのではなくて、自分で決めて撮ればいい。
誰かが撮ったものと、全く同じように撮って褒められる団体はあります。〇〇写真連盟とかは、独立峰のリフレクション写真が最も美しい構図だと謳っているんだけど、それは構図パターンでいうとシンメトリー構図とかそういうことになります。モナリザが黄金比だとか、ある建築物が白銀比だとか、絵画や建築物における美しい比率などいろいろあるんだけど、あるんだけど、美しい比率に合わせなくっても良いんだよね。自分が、いいと思うように撮ってきて。好きなように撮ってきて。上手いとか下手とかは関係ないの。自分の心を写して、私たちは人間なんだから。
次回は、11月13日(木)
次回は、写真展示に出す作品の方向性を決めたり、写真を選んだりします。迷っている場合は、一緒に考えます。課題発表というよりも、進捗状況を伝える感じになります。
よろしくお願いします。






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