みなさん、こんにちはYUSULAです。
今回は、ロモインスタントと言う会社が販売しているレンズ付きフィルムカメラ:シンプルユースを使った作例を紹介します。
「写ルンです」と”シンプルユース”の違いは?
日本にも、レンズ付きフィルム「写ルンです」と言う優れた製品がありますが「写ルンです」と”シンプルユース”との大きな違いはカメラ本体を再利用できることです。また、”シンプルユース”は、デザインごとに違うフィルムを装填しており、これがまた魅力。全色集めてしまいたくなるのであるよ。
①本体ごと現像に出すのが「写ルンです」
「写ルンです」はシャッターを切るごとにフィルムが収納されていく仕組みになっています。だから、フィルムを巻き切ったらもうフィルムはパトローネの中に収まっているので、カメラを開けたらすぐにフィルムを取り出せる状態です。ですが、「写ルンです」は感電する恐れがあるため「分解するのはやめて」って書いてあるんで、自己責任です。また、フィルムを取りだせた所で再利用しにくいのであまり意味がなさそうです。(どうしてもレンズを再利用したいとか電池を抜きたいとかだったら意味あるかもだけど)
※写ルンですは、危ないからできるだけ取り出さないでと注意書きがあり自己責任であればフィルムだけ取り出せます。
②中身のフィルムだけを現像に出せるのが “シンプルユース”
「写ルンです」と同様 “シンプルユース” も、フィルムを使い切った後、蓋を開けるとフィルムが取り出せるようになっています。下の写真が、フィルムを取り出しているところです。
シンプルユースはカメラ本体を再利用する際にフィルム装填をすれば使うことが出来ますが、フィルム装填を自分で行わなければなりません。フィルムのベロを引っ掛けて蓋を閉めた後、フィルムを巻き上げておくという作業があるので「そのときに失敗しても保証しません、自己責任でお願いね」ってロモが言っています。
カメラの底にフィルム巻き巻きボタンがついています。そこは、フィルムカメラと同じ仕組みですね。そんなに難しいもんでもないのでやってみてはいかがでしょう?
シンプルユースの仕様をちょっと紹介
35mmフィルム
レンズの焦点距離 31mm
シャッタースピード1/120秒
絞りf/9
撮影距離 1mから無限遠
フラッシュ内蔵、リチャージ15秒
単三乾電池1本内蔵
ロモクローム
LomoChromeシリーズはロモグラフィーが開発した乳剤を使ったロモグラフィーオリジナルのフィルムです。
普通のカラー写真とは違うんです。今回は、ロモクロームはパープルを使用。
ロモクロームには「パープル」の他にも「メトロポリス」「(復刻)ターコイズ」などが販売されているよ!
早速、シンプルユースで撮影した作例を見ていこう!
作例① ただのボロい橋が、いい感じに!
このいい感じにボロい橋は苔むしていて、どちらのフィルムにも相性抜群な感じがする。
モヤっとした奥のグリーンの表現とか、なんとも言えない独特な色としか言いようがないけど。。。グリーンていうかもはやターコイズな感じだね。日本人はこう言うフィルムは作らないよね。こう言うふうになったら多分不良品で即回収って感じなんだろうね。
さて、橋の下の用水路の壁面にびっしり苔が付いている。苔はみんながよくみたことのある苔の色で、特に変わった苔とかじゃあないよ。この鮮やかな緑色にパープルが反応しているね。
ロモクロームパープルの方が、コントラストが高くなんとなく黒潰れしている様に思うね。薄暗い色や淡い表現が出にくいのだろうか?
作例② なんとなくつまらん風景写真だけど、色は特徴的。
こういう普通の風景を撮ってみたけど、なんだかつまらないね。どうでもいいって感じの構図です。ただ、どうしてこれを載せたのかって言うと、色を見て欲しいからだね。色彩豊かな風景だったよ。
青い空があって、桜があって、石があって、滝があって、川があって、緑がある。盛りだくさんの色彩だったけど、若干谷間というか光のあたりが少し微妙だったかもね。
まあでも、カラーサンプルの作例としては十分っしょ!滝の色って、太陽光の下では肉眼では白く見えるんだけど写真を見比べてみてどうだい?
カラーネガティブは、滝が水色っぽくなっていて、パープルは白く写っているね。
作例①でも②でも思ったけど、パープルは石畳の部分(写真右下)のような、淡いコントラストの表現が大きく違う様に感じるね。カラーネガティブの方が、石畳のディティールが細かいというか普通に写っているといった感じ。パープルは、黒く潰れちゃってて、ひどい段差があるように表現されている感じがするね。
作例を見ただけで「パープル」に対して苦笑いする人とか「何その変なフィルム。そんなフィルム使いたくない!」って拒絶されたことがあるよww 気持ちは分からんでもないが、なんというか原発写真のような寂しい色になるというか、どことなく切ない色だよね。何かが足りない、だから寂しく感じるのかな。
作例③ 青空を撮るとどうなるのか
よく被写体にされているありきたりな構図。この写真で見て欲しいのは構図じゃないよ。空の色とグラデーションの部分だね。お察しの通り、太陽は左側にある。んで、夕日にはなってないけどだいぶ日が暮れてる感じ。この日はピーカンだった。
カラーネガティブは見ての通り青がターコイズっぽく表現されるね。だけど、ロモクロームパープルの方は、グラデーションのところから白っぽく変わっていくところがちょっと急激というかほとんど白いよね。
ロモクローム パープルの正体 LOMOCHROME PURPLE
ロモグラフィのホームページには、
サイケデリックな紫が目印のLomoChrome Purple。レッド、パープル、ピンクが強調されたユニークな発色が楽しめます。
https://shop.lomography.com/jp/connoisseurs/lomochrome-purple-35-mm-iso-100-400
と書いてあり、作例②の桜の色をカラーネガティブと見比べると、明らかにピンクが強調されているのはわかる。
肉眼で見えている色が、このフィルムでは何色に表現されているのかを書きます。
・白は白く写るし、青は青緑っぽく写る。
・緑色は赤紫っぽく写るし、ピンクはピンクっぽく写る。
・黄色っぽいものもピンクっぽく写る。
ブルーがエメラルドグリーンに、グリーンがパープルに、イエローがピンクにシフトする
https://shop.lomography.com/jp/connoisseurs/lomochrome-purple-35-mm-iso-100-400
だから、作例②を見比べるとわかるのだけど、桜の花びらってピンク色だよね。でも、桜の木の幹の下のところは緑色の草が生えてて緑なんだよ。だから、その部分をみてもらうとわかるようにピンクはピンクでグリーンはピンクになる。パープルから出てこない色は、ブルーかな。青らしい青っていう色が失われているフィルムって感じだね。
作例④ 青空とコシヒカリ
誰もが見たことあるような、ありきたりな風景って、みんなが記憶でよく知っている色だから伝わりやすいと思う。カラーネガティブは、ベルビア(リバーサルフィルムなんだから綺麗なのが当たり前)ほどの美しさはないけど、どぎつめの色を出せることが分かったよね。一方、ロモクロームパープルの方はどうかな?コシヒカリは赤っていうかもう茶色って感じだね。青空は、黄色と水色が混ざった様なグリーン気味。
緑色のコシヒカリも、黄金色の麦も、パープルで撮れば、赤とかピンクとか紫っぽい感じになるんだね。おそらくね。赤褐色とか好きな人はいいかもね。
じゃあ、月蝕をこのフィルムで撮ったらどうなるのか。多分、月蝕特有の赤っぽい色は多少出ると思うけど、月蝕じゃない満月でも、月蝕の色みたいに違う方向性の赤っぽい色で出るんだろうねえ。
まあ、天文現象を変なフィルムで撮影している人に出会ったことがないので分からないけど。。。やる意味がない感じもするね。。。やるのは自由だけど。
ネガフィルムの色比較
さっきもちらっとお見せしたけど、現像されて渡されたネガフィルムの色がこんな感じ。
ネガフィルムって
ネガフィルムっていうのは、光が当たった部分が、黒い色になるんだ。つまりそのことを反転って言ってるんだよね。その状態でフィルムに焼き付けられるからプリントをすると、全然違う色になるんだよね。ネガフィルムで白い部分はプリントすると黒っぽい部分になるんだよね。
ライトボックスの上に、フィルムを載せてルーペで覗くと、こんなふうにフィルムを見ることができるんだよね。こんな作業も楽しいから、みんなにもロモを使って楽しんでもらいたいな。
シンプルユースのフィルムは4種類展開
カメラボディのデザインは何種類もあります。フィルムは、今回紹介した’Color Negative 400′ ‘LomoChrome Purple’の他に’LomoChrome Metropolis’ と’Lady Grey B&W 400’というフィルムが販売されていて現在4種類のレンズ付きフィルムがあり。デザインのバリエーションには限定モデルなどがあってそれも人気。何度も繰り返し使えることを考えているから、せっかくなら限定デザインのも良いかもしれないね!
ロモ特有のオリジナルフィルムだけれどC-41
フィルムを買って使ったはいいけど、ちゃんと現像をしてくれるお店に出そうね。
「無補正」でお願いしてね。
ロモのフィルムを取り扱っているお店で現像してもらうのが一番良いのだけど。そのお店でフィルムを買って、そのお店で現像するという流れ。どうしてかと言うと、販売しているお店にはちゃんとわかっている店員さんがいるはずだから。でも、そのお店に行く機会がなかなかないのと言うときは、フィルム現像をしてくれるお店に持っていって「普通のカラー写真(ネガフィルム)です」って言えば、通じるはずだよ。
写真の文明堂
石川県内で、lomographyの正規取扱店は「写真の文明堂」さん。
現像を断られてしまうようなフィルムは、諦めずここに送ってみて。
実は、自分もこのフィルムカメラを「写真の文明堂」さんで購入した。フィルムを巻き終わってから2年近く放置した。保管状態によっては、断られるかもしれないなと思ったけどやってくれた。ありがとう、ありがとう。
シンプルユースを使ってみての感想
①使ってみて、良かったと思うところ
フラッシュ重視のカラーフィルム付きな所がいいね。フラッシュを焚くと、「鑑識」とか「事故現場」「パパラッチ」などの写真を連想してしまうよね。「スクープ!」みたいな。だけど、シンプルユースには6色の光を作り出すことができるカラーフィルム付きだから、スクープ写真がアートに変わるよ。ガンガン使って欲しいのがフラッシュなんです。
とにかく手軽で、楽しく撮れる。ちょっと変わったカメラなので女子に「なんのカメラ?」と興味を持ってもらえる。現像した後も楽しめて、使って良かったと思う。再利用も可能だし次はなんのフィルム入れようかとワクワクしている。フィルムを巻けば多重露光もできるし色々な使い方はできる。
②残念と思うところ
レンズが交換できないとか、ISOを変えて撮影できないこと。かなあ。。。あと、ちょっと高いかな。でも、別売りの防水カバーをつけると、今度は防水カメラに早変わり。あ、これは良いところか。。。
ロモグラフィが公開しているフィルムガイド
こちらは、ロモグラフィが紹介しているフィルムガイドの一部をキャプチャーしたものです。
カラーネガティブ100とロモクロームパープル100の比較
大体の目安として参考にしてください。
特に大きく色に差がないものを、黄色い四角で囲ってみたよ。薄いピンクや、赤、白やグレーには大きな差はないけど人間が感じる光の色や、モニターなどの違いで色を伝えるのってすごく難しいんだよね。とりあえず、撮影するときに、風景の中には何色があって、あの色がどうカラーシフトしていくのかっていうガイドとして役に立ちそう。とはいえ、やっぱり完全にそういう色が出るという保証はない。目安程度に使うと良いと思う。
交換写真やバトン、リレーで遊ぶのも◎
写ルンですじゃなくって、こんな変な色をしたフィルムカメラで撮ると、思い出もより強くなる気がするよ。
価格は3,000円前後で、現像代金とプリント代金を入れると5,000円あればお釣りがくるよ。ちょっと高い気もするけど、お友達とフィルム代、現像代、プリント代を割り勘してもいいと思う。
フィルムカメラバトンみたいなゲームも楽しいよ。交換日記みたいに、例えば一人10枚ほどの写真を撮ってきて、順番にカメラを回していくの。現像同時プリントして、みんなで写真屋さんに取りに行って、カフェで美味しいもの食べながら「ナニこれ!」ってみんなで大笑いするの。コロナだから「黙食して」って怒られるかな。テラス席や公園のベンチならいいかな?
女子高生や女子大生だったら、友達とやってみたかったな。。。。
「ちょっと、コストと時間かかるんですけどぉ、交換日記ならぬ交換写真やりませんか?」ってw
フィルムは飛行機に持ち込む時は、気をつけてね。
終わりに
どうでしたか?ちょっと使ってみてもいいかな?という人もいれば、興味がない人もいると思います。カメラ好きなら、一度だけは使ってみて欲しい。別に特別なことはない。単なるネガフィルムなんだけど。。。やっぱり好きで買ってしまう。。。防湿庫の中で眠っているカメラにロモクロームを装填してみてはいかが?
こんなの撮れたよ、こんなふうに使ってみた、というのがあったら教えてね。
では!
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