2019-05-09 19:00-20:30 北國新聞文化センター 写真教室 | 講師 清水梅子(しみず ゆすらこ)
レンズの歪み
レンズというのは、丸みがあるガラスです。虫眼鏡のような両凸レンズや凹レンズなどを組み合わせて倍率が高くなったり歪みを補正したり色収差を軽減させています。そういう工夫が施されていても、レンズには歪みがあります。
ここ最近のカメラのなかには、その歪みをレンズでなくプログラムで消してしまうカメラもあります。良くも悪くも、以前までは、その歪みをわざと強調させて作品を生かす撮影というものもありましたが、歪みがなければないで、とても美しい放射状の写真になります。まあ、最終的には好みの問題ですが。
歪みのタイプを調べよう
格子状のものをプリントして台紙に貼り付けただけの、簡易的なものですけどこれで十分だと思います。自分のレンズがどういうタイプに曲がるのかを簡単に調べることができます。

この画像は、わかりやすくするためにゆがみをわざと強調しています。ここまで歪むレンズの方が珍しい。
どちらも、縦位置で考えると、樽とか糸巻きとかイメージしやすいですね。
レンズの歪みの調べ方
用意するもの
カメラと用意するものは、格子状のチャートです。ネットで1センチメートル方眼紙などが作れる無料サイトがあります。
焦点距離を変えて撮影する
最初は、広角めいいっぱいにして撮影します。レンズにもよりますが、だいたい18mmとか24mmが多いのではないでしょうか。一番少ない数字のところにします。
チャートに近づき、だいたい画面いっぱいになるように撮影してみてください。ピントが合わないこともあるでしょうが、今回はピントはシビアに考えなくて良いです。歪みを見つけるためだけの目的なので。
それができたら、次は焦点距離を望遠寄りにします。数字でいうと、50mm,55mm,70mm,135mmなど、持っているレンズによって違うのですが、数字が一番大きくなるところにします。つまり、ズームします。
ズームをして、また画面いっぱいになるように撮影してください。さっきは近づいて撮影をしたのに、今度はチャートから離れて撮影することになります。
受講生のレンズ
D7500を使用している受講生の方のお写真をお借りしました。2017年に発売された、わりと新しいカメラです。純正レンズは口径が大きめで写真が綺麗だなという印象を受けました。
APS-C 18mm

APS-C 140mm

焦点距離比較画像
フルサイズ 16mm 下が太って、先が小さくてブサイクな形

フルサイズ 35mm 見たままに近い感じで撮れる

チャートで試さなくても、こういったモニュメントで試すこともできます。このモニュメント、とっても大きいんですよね。小さなビルくらいの高さがあります。
まとめ
焦点距離で歪み方が変わる
実は、広角気味にしていくと画像が歪みやすいんです。また、ズームにすると歪みが少なくなります。
歪みに注意
何を注意するのかということですが、人物を撮るとしたら人物の配置です。両はしに立った人は、太って見えますね。だから隅っこに女性を立たせたらダメですよ。というか、集合写真を18mmとかで撮らないようにしましょう。最低でも35mmから50mmくらいで撮りましょうね。
この歪みを生かして、被写体を考えると写真が面白くなります。
では!
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