2025-11-13 19:30-21:00 北國新聞文化センター | 写真教室 講師: 清水梅子
みなさんこんにちは、さて今日は展示に向けての準備になります。

パネルを3枚借りるんですが、早い者勝ちで場所の希望はあるか聞いたら「全員が、どこでもいいです!」って言うんでね、おみくじで番号を引いてもらって、その紙に名前を書いてもらって、展示場所を決めました。

右側が一応決めた場所になります。
今回の展示は、ちょっといつもと違う感じになりそう。

受講生たちのイメージと、実際の撮れた写真などで構想が変わってきますからね。

撮れたものの中で、どの写真にするのか、どの写真を大きくするのか。

何を見せたくて、何を伝えたくて、その写真を展示したいのか。

いいのが撮れると、選ぶのに困ってしまう。

展示に囚われてしまい、本来見せたかった写真を選ぶことを優先せずに展示優先の思考に偏ってしまうことも。
展示は奥が深い。
撮れた写真じゃなくて撮りたい写真を
講師側が受講生に期待することは、「たまたま写った」とか「うまく撮れた」写真ではなく「撮ってきた写真」を展示して欲しいです。
動物園なので、こちら側が何かをアプローチしたり生き物にプレッシャーを与えるわけにはいかないんで、粘ることが大事です。
「こんなふうに撮れたらいいな」ある程度の狙いはあったほうが、展示写真としての意味がありますね。
人って、潜在能力や能力や狙うという気持ちが根底にあって、その気持ちのモチベーションの維持をどうするかっていうところが重要だと思うんですよね。
動物園に通って、今までなんとなくみていたあの生き物、飼育係の人が来た途端、表情がガラリと変わった!とか、とある変化を発見すると、どんどんその被写体のことを知りたくなります。
ただ取りに行くのではなく、周りの状況をしっかり見たり、餌やりの時間を確認したり、情報をつかんで撮影につなげるのです。
それは、動物園に限らず野生動物などもそうです。
1回目、まずは撮ってみよう。あのいきものがかわいと感じたし、撮りたいな。
2回目、特定のいきものは決まっているけど、もう少し別のものも見てみよう。
3回目、やっぱり、最初に決めたあのいきものがいいな。
4回目、あのいきものの、狙った表情が撮りたいな。
5回目、次こそは、狙ったやつを撮るぞ、今日は、撮るまで帰らない。
そんなふうに、自分を熱中させてくれるのが推しですね。誰かがいいと言ったからじゃなくて、なんでか知らないけど「目が離せない」とか「撮り続けたくなってしまう」とか、そういうものです。
また、撮り続けていくことで「今度は、こんな感じの撮りたいな」という欲が湧いてくるはず。
そんな中、表情を狙うのか仕草を狙うのか。
それとも、光を狙うのか動きを狙うのか。
選ぶのは、自分です。これは、展示写真用に限った話ではありません。
上手く撮れたから自慢したいというのは誰の心にもあるようですが、「どのようにうまく撮れたの?」というところが肝心なんですわ。
中身のないうまく撮れただけの写真は意味がありません。技術や機材の力量不足の中でも、撮りたい写真を撮っている人の写真というのは、魅力的で人の視線を釘付けにするものです。
写真には、撮る人の心が現れる。何も考えずに撮れただけの写真は、こちらの心にも響かない。
人の心を動かすには、まずは自分の心を写真に反映させましょう。難しいことのように感じるけど、心というのはシンプルに、「撮りたい」という欲のことですね。
いきものの気持ちを考えること
アテクシはいきものの専門家でもなんでもないわけですけど、この時の孔雀さんの気持ちを、勝手に想像することはできます。
まず、状況を説明すると、メスがいるんで、オスが求愛ディスプレイ行動を行いました。

「ゾゾゾ、そわぞわぞわ、シャラシャラシャラシャラ〜」なんか、神秘的な鈴のような素敵な音です。
こんな音立てるの?すごい、初めて見たわけじゃないけれど、めっちゃ羽を広げて、ダンスみたいに左右に動いて羽を見せつけています。
うわあ、すごいなあ。って思ったんだけど
これは、観客のためにやっているわけじゃあありません。一羽のメスに対してのアピールです。
で、メスはどうしているかというと

「完全に無視」を貫いています。まあ、そういう気分じゃないというか、今はメスが受け入れる体制ではないんだろうということでしょう。それでも、その時真剣にアピールしているオスの孔雀の表情はどんなものだろうと。

めっちゃ、頑張っているんです。キリ!っとして、すごい頑張っているのがわかるよ、うん。応援したくなりました。いきものの場合は、人間の恋愛とかいうめんどくさそうなもつれは少なそうですね。シンプルに「今は違う」というだけです。だから、何回もトライして、うまくいくまでやり続ける本能を持っていると思います。
孔雀は、こうやって人前で求愛ができるけど、いきものによっては、薄暗くしてあげるとか、競走馬なんかはサボテンの花を咲かせるのと同じで、ライトコントロール(短日処理とか長日処理)を行うんです。そして、求愛の日程をコントロールするんです。
粘ることの大切さ
いきものにストレスを与えることは良くありませんが、撮影では粘ることも大事ですね。
さく!っとうまく撮れたつもりでも、後から見ると、写真が選べない。そういう写真は、撮れた写真じゃなくて、とりあえず撮った写真になっていることが多そうです。
動物園はすごい
本当は、日本にはいなかったいきものを上手に繁殖させたり飼育したり、雪が多くて寒い気候でも温度管理や餌の調達など、日本でも育てられるような工夫をしていきものを育てています。飼育員さんだけではなく、ちゃんと獣医さんがいて診察もしてもらえる。みんなでもっと、地元の動物園を応援してあげましょう!
展示とは、話が逸れましたけど、動物園というのも展示の一つです。映画『旭山動物園物語』をご存知ですか?「ペンギンが空を飛びます」っていう西田敏行さんのセリフが印象的です。展示の工夫で生まれ変わった動物園。写真の展示も、方向性を決めて、またアイデアを出してもらえるといいかな、と思います。
コラージュなのか、組写真なのか、写真を展示したいのか

テーマは、推しの動物ということではあるんですが、大きいサイズの写真を1枚展示するというのが一番シンプルな方法です。ですが、うまく撮れたものを並べたいという気持ちもわかりますし、展示に力を入れてみたいという楽しみ方もあります。今回は、受講生たちに委ねてみようかな、と思っているところです。
次回は、2025年11月27日(木)
プリント学習などが中心ですので、筆記用具などをご持参ください。
12/4は、展示の方向性についてみんなで話し合いたいなと思っています。ちょっと、コーヒーでも飲みながら意見を出し合って楽しみましょう。




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