COVID-19 不活化させるアルコール濃度とは?

まずは、March 17, 2020.にコールドスプリングハーバー研究所に発表された、スイス・ベルン大学の免疫学研究所Annika Kratzelらの研究資料を引用しますので、こちらをご覧ください。

Efficient inactivation of SARS-CoV-2 by WHO-recommended hand rub formulations and alcohols

Google翻訳;WHO推奨の手指消毒剤とアルコールによるSARS-CoV-2の効率的な不活化

Next, we addressed the susceptibility of SARS-CoV-2 against the individual components of the WHO recommended formulations which are also the main ingredients of commercially available hand disinfections. Both alcohols, ethanol (Fig. 2A) and 2-propanol (Fig. 2B) were able to reduce viral titers in 30 s exposure to background levels with RFs between ≤ 4.8 and 5.9 after 30 sec. Furthermore, we could show that a minimal concentration of 30 % ethanol or 2-propanol is sufficient for viral inactivation (Fig. 2).

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.10.986711v1.full

Google翻訳で翻訳したものをペーストしますね。⬇︎

次に、市販の手指消毒の主成分でもあるWHO推奨処方の個々の成分に対するSARS-CoV-2の感受性に取り組みました。アルコール、エタノール(図2A)と2-プロパノール(図2B)の両方は、バックグラウンドレベルへの30秒の曝露でウイルス力価を低下させ、30秒後にRFは4.8〜5.9でした。さらに、ウイルスの不活化には30%エタノールまたは2-プロパノールの最小濃度で十分であることを示すことができました(図2)。

ウイルスの不活化はエタノール濃度30%で十分

エタノール、イソプロパノールをそれぞれ濃度別にして、その中にウイルスをさらした結果。

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.10.986711v1.full
個人的な解釈です。

concentrarion(濃度)30%でSARS-CoV-2(新型コロナウイルス)が、ほぼ0に等しい感じになっていますねえ。cytotoxicityとは細胞毒性のこと。イソプロパノールは80%あたりでグラフが上がっているね。

自分、研究者ではないので詳しく理解はしていませんが、アルコール濃度は30%でもウイルスの不活化には十分だということが彼女たちの研究で分かったようですね。Google翻訳で解釈しました。

30%濃度のアルコール、エタノールまたはイソプロパノールをスプレーなどで数回噴射して30秒乾かなければコロナウイルスは不活化させることができるということでしょうか。そうすると、ジェルは優れているのでしょうか。または、キッチンペーパーなどに染み込ませた方が効果があるのでしょうか。

状況によるんでしょうね。アルコール消毒が全てではないと。基本は手洗いですね。極端なことを言えば、ぜんぶ水で洗い流すことができたら、不活化じゃなくて除去ができるということでしょうか。そうしたら、コロナ水が流れて行くということになるね。こわいね。。。下水とかのお仕事している人は大丈夫なのか?

さて、レポートの信ぴょう性についてはどうか。

査読を受けていない予備レポート

A reminder: these are preliminary reports that have not been peer-reviewed. They should not be regarded as conclusive, guide clinical practice/health-related behavior, or be reported in news media as established information.

https://www.biorxiv.org/content/10.1101/2020.03.10.986711v1.full.pdf+html
注意:これらは、査読されていない予備レポートです。それらは決定的であると見なされるべきではなく、臨床実践/健康関連の行動を導き、あるいは確立された情報としてニュースメディアで報道されるべきではありません。

引用ソースをご覧になられた方はご理解されていると思いますが、確立された情報ではない、査読されてないレポートだということは説明しておきます。個人的に、この予備レポートが今後査読されて認められて行くのか、嘘だったということになるのか見届けたいですね。

あくまで実験という段階の情報

気温が高かったり、乾燥している場所だと、アルコール濃度を維持できるのかどうかというのはわかりませんね。

実験と同じような環境だったら、ウイルス除去したい対象物にしっとりするくらい吹きかけるなら30%でも十分だということでしょうか。

アルコール濃度が高ければ高いほど揮発性が高くなるとして、結局80%濃度のアルコールを1回噴射するのと、30%濃度のアルコールを3回噴射するのと、どちらの方が揮発性が高くてどちらの方が効果があるのかというのは、やって見ないとわかりませんよね。

こちらは花王のHPからの引用です。

2005年1月発行の『サイエンスプラザ』No.8 /16,17pにアルコールと殺菌についての話が掲載されていました。

その中に書かれていたことを紹介します。

エタノール濃度70%がもっとも殺菌力が高くなる

エタノールの殺菌効果は40%あたりに急激に現れ70%で最大の効果を示します。

https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf

これよりも濃度が低くても、時間がかかるけれど効果があるようですよ。

わかりやすい表

https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf
https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf

これらは参考文献2である「山下勝:アルコール類の微生物に対する作用、防菌防黴」の表を改変してあるとのこと。

表を見ると、40%から70%のエタノール濃度の場合、微生物の死滅時間は5分以内と書かれています。

細胞膜、蛋白質構造などが急速に変性、破壊する。

https://www.kao.co.jp/pro/hospital/pdf/08/08_05.pdf

微生物って?

微生物とは目にみえないくらい小さな生物のことです。細菌、菌類、ウイルス、微細藻類、原生動物(アメーバやゾウリムシなど)などが含まれます。

http://www.microbial-ecology.jp/or/microbial.html

微生物にはウイルスも含まれています。大丈夫。

エンベロープウイルス

SARSウイルス、新型インフルエンザウイルス、COVID-19はエンベロープウイルスなんです。

エンベロープって、脂質性の膜のようなものなの。つまり、脂の膜ようなものでできているんです。アルコール(エタノール)って、油汚れがスッキリ取れますよね??だから、COVID-19はアルコール(エタノール)で簡単に不活化させることができるというわけです。

消毒用エタノール ヤクハン製薬

エタノールの殺菌力上の最適濃度は大体 50~80%の間が適当とされている。また細菌の芽胞に対してはほとんど作用しないか又は非常に弱いことが認められている。Price の報告によれば、10~20%では 10 分間以上作用させないと効力はなく、しだいに濃度を増すにつれ殺菌力は強く、60~90%の間では最初の数秒間で強力に殺菌するが、90%以上では作用が弱くなることを示している。したがって本剤の濃度約 70%は至適濃度と称してよく、この濃度においては皮膚に対して拡散及び揮散性も適度で、表皮を損傷することもなく、脂質を溶解し去ることもなく無害である。

http://image.packageinsert.jp/pdf.php?mode=1&yjcode=2615703X1310

ヤクハンのエタノールの説明書ですね。ヤクハンのエタノールでは、70%が至適濃度として良いとのことですね。

また20%〜50%のことに関しては書かれていないですね。

アルコールなど、入手できずに困っている方

厚生労働省のHPより

人間を消毒するなら石鹸またはアルコール

マスクを外した後は必ず石鹸で手を洗ってください(アルコール手指消毒剤でも可)。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html

こまめに石鹸を用いた手洗いもしくはアルコール消毒をしましょう。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html

https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000614437.pdf

手洗いで十分にウイルスを除去できるのだから手洗い後にアルコール消毒は不要と書いてありますね。

物の消毒は次亜塩素酸ナトリウム

ウイルスは物についてもしばらく生存しているため、ドアの取っ手やノブ、ベッド柵ウイルスがついている可能性はあります。0.05%の次亜塩素酸ナトリウム(薄めた漂白剤)で拭いた後、水拭きするか、アルコールで拭きましょう。トイレや洗面所の清掃をこまめに行いましょう。清掃は、市販の家庭用洗剤を使用し、すすいだ後に、0.1%の次亜塩素酸ナトリウムを含む家庭用消毒剤を使用します。

https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/newpage_00009.html

食器・手すり・ドアノブなど身近な物の消毒には、熱水や塩素系漂白剤で行っていただくことを徹底いただくようお願いいたします。

https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf

つまり、基本的には石鹸で手洗いをすることと物を掃除するときは、塩素系漂白剤があれば良いということですね。

コロナバスターズのウイルス除去は?

特殊清掃会社は、一体、どのような消毒液を使っているのでしょう?

■除去、消毒に関して

  除去消毒には、厚生労働省でも新型コロナウイルス対策の効果も認められており、提唱されている次亜塩素酸を含む、次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水などを使用いたします。次亜塩素酸ナトリウムは、細菌に有効な殺菌作用効果を保持しており、調理器具や哺乳瓶などの衛生器具、衣類や寝具、飲食店など、一般家庭から企業まで、様々な物の除菌・消毒に活用されています。

次亜塩素酸ナトリウムと次亜塩素酸水、アルコールを正しい濃度で使用し、噴霧器による直接噴霧や最もウイルス除去消毒効果が高いと言われている拭き取り作業を、机やドアノブ・手すりなどの接触部分のを中心に行います。

https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000057133.html

正しい濃度というのがわかりませんね。

まとめ

結局、アルコール濃度は70%から80%程度が良く、希釈する場合は精製水の使用が良い。アルコールは基本的に指先などに使用し、物に対しては薄めた漂白剤で拭く(厚生労働省のHPに書いてあります)。

アルコールにこだわらず堅実な手洗いと清潔にしてコロナ感染を防ぎましょう!

#うちで過ごそう#StayHome

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