COVID-19 新型コロナウイルスについて

いまさら?とは思われるかもしれませんが、「日本医事新報社」の『緊急寄稿(1)新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のウイルス学的特徴と感染様式の考察(白木公康)』を中心に、その他色々なソースから引用し、COVID-19新型コロナウイルスについてちょっとまとめようかなとおもいます。

引用・参考にしている文章は、医師や専門家が書いたものです。

見えないことによる難しさ

ウイルスは「見えない」存在である。今回のコロナウイルスも直径100-200ナノメートルという小さな粒子であり、肉眼ではもちろん普通の光学顕微鏡でも見ることができず、ウイルス粒子を見るためには電子顕微鏡が必要である。今回の新型コロナウイルスはウイルス粒子が見えないということと同時に、このウイルスの拡がりが見えないという特徴があり、そのことがこのウイルスとの戦いを難しいものにしている。

https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_215.html

サイレントキラーとは、まさにこれなんですよね。

以下、記事を書いた先生

しらき きみやす:1977年阪大卒。2013年富山大学医学部学科長,2019年4月から現職。専門は臨床ウイルス学。新型コロナウイルス感染症の治療薬の候補に挙がっている抗インフルエンザウイルス薬ファビピラビル(商品名:アビガン)を開発

https://www.jmedj.co.jp/journal/paper/detail.php?id=14278

掲載日は2020年03月21日発行と古い情報になりつつあるが、推測ではありながらも信ぴょう性のある記事に思う。

1.コロナウイルスの特徴

コロナウイルスはエンベロープを有するので,エタノールや有機溶媒で容易に感染性がなくなる(不活化できる)。

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水に溶けない物質を溶かす、常温常圧で液体の有機化合物の総称。 エタノール・ベンゼン・アセトン・クロロホルムなど。

https://kotobank.jp/word/%E6%9C%89%E6%A9%9F%E6%BA%B6%E5%AA%92-673952

エンベロープっていうのは、脂質性の膜なのでアルコールや中性洗剤で死滅させる(感染性を失わせる)ことができるという事です。

2.コロナウイルスの増殖

インフルエンザウイルスは,感染して6時間で増殖を終えて,108/mL程度の感染性ウイルスを産生する。SARSコロナウイルスは,6時間程度で増殖し,105〜6/mL程度のウイルスを産生する2)。したがって,気道上皮細胞からのコロナウイルス放出はインフルエンザの約100分の1程度と推測できる。

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菌っていうのは、倍の倍の倍に増えていくんだ。

ウイルスは、生きている細胞にもぐりこんで増やそうとするの。自力で増やせないから。増やすための能力を持っているけど、増やすための設備がないから増やせないんです。

だから、人間の細胞に潜り込んで(感染)から、遺伝子を複製するのと同時にタンパク質を合成して、それらを組み立てて完成。そのあと放出するという仕組みになっています。

それで、この引用文の説明をすると、

インフルエンザウイルスは感染してから、6時間で1ml(1cc)あたり一億(100000000)個産生するのに対して、

SARSコロナウイルスは感染してから、6時間で1ml(1cc)あたり10万(100000)から100万(1000000)個産生する。

だから、インフルエンザウイルスに対して、SARSコロナウイルスの産生は100倍から1000倍遅いということです。

インフルよりもSARSコロナの方が感染力は弱いというのは、そういう意味です。

3. ウイルスの感染能力の安定性

飛沫感染は2m離れると感染しないとされている。オープンエアでは,2mまで到達する前に,種々の大きさのaerosol(エアロゾル,微小な空気中で浮遊できる粒子)は乾燥する。60~100μmの大きな粒子でさえ,乾燥して飛沫核になり,インフルエンザウイルスを含む多くのウイルスは乾燥して感染性を失う3)。したがって,コロナウイルスはインフルエンザ同様,エアロゾルが乾燥する距離である2m離れたら感染しないと思われる。

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つまり、インフルエンザウイルスも、コロナウイルスも、飛沫した場合2メートルの距離で乾燥してウイルスは死ぬということだ。

しかし,湿気のある密室では空中に浮遊するエアロゾル中のウイルスは乾燥を免れるため,驚くことに,秒単位から1分ではなく,数分から30分程度,感染性を保持する4)〜6)

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でも、湿気のあるところではウイルスは長生きしてしまう。

単に密室を避けるのではなく,湿気が多い空間・密室では換気や除湿を心がけ,飛沫が乾燥しやすい環境として,人と人の距離を2m保持することで,感染の回避は可能と思われる。

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三密との違いは、湿気についてのことですね。三密では、①密室②人が多い場所③人との距離についてで、湿気のことについて書かれていませんね。

除湿を心がけると良いと。除湿機が効果的なのか?

4. 湿度と気道の乾燥,エアロゾルの乾燥

部屋の加湿は気道には優しいが,呼気や咳・くしゃみにより生じたエアロゾル中のウイルスの乾燥を妨げ,感染性を保持しやすいことになるため,湿度を上げすぎないことに留意するべきであると思う。

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加湿は、自分の喉だけにしてください。という事ですね。空間は乾燥させるか換気しなさいということですね。

5. COVID-19の感染様式

新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染様式は,従来のヒト呼吸器コロナウイルスの感染様式(物を介する感染)とインフルエンザ的感染様式(飛沫感染)が考えられる(図1)。

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感染する要因は、二つあって、一つはだれかがクシャミをした時にウイルスを撒き散らしているという話。

ここで、マスクは人にうつさないためにつけないといけないね。と解釈できる。マスクは、保湿もできる。

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くしゃみで感染するというより,ティッシュで鼻をかむ際に鼻を触った手がウイルスで汚染され,その手でドアノブなどの物を触り,そこに付着したウイルスが物を介して別の人の手にうつり,その手を顔面にもっていくことで感染(fomite transmission)が成立する。

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二つは、飛沫じゃなくって鼻水や痰などの湿気を多く含むウイルスを閉じ込めた粘土質のものの塊が包まれたティッシュなどに触れて、そのあと別の物体に触れて、人体への感染の原因となるということ。

プラスティックなどの表面で3日程度,痰や糞便では5日,尿中で10日としている。

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ニュースでは、プラスティックは5日くらい生存してたと書かれていた。程度なので、環境によるのだろう。どっちが嘘とかほんとじゃなくて、ウイルスが死なないための湿度が維持されればプラスティックの上ではずっと生存できるという事でしょう。

6. ヒトへの実験的ウイルス感染よりわかること

ウイルス排出は約1週間続き,人によっては20日観察されている14)。感染性ウイルスは主要症状消退後にも認められる。鼻かぜ(コロナウイルスとライノウイルス)は,感染3日後に発症し,ライノウイルスは3週間,コロナウイルス感染動物では約1カ月程度ウイルスが検出される。

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この辺の情報に関しては、実際にコロナ感染した方が実体験を書いているものがネット上にありますのでそちらを参考に。ここでは掲載しません。

COVID-19は,物を介して上気道で感染する場合と,エアロゾルで下気道・肺胞で感染する場合が考えられるが,鼻咽腔での検出が悪く,喀痰で検出できる場合には,下気道でウイルスが感染したと推測できる。

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上気道・・・鼻から鼻腔、鼻咽腔、咽頭、喉頭まで

下気道・・・声帯よりも末梢側の部分で、気管から気管支、細気管支を経て、終末の肺胞まで

7. COVID-19の臨床的特徴と治療

COVID-19の臨床的特徴は,インフルエンザのような感冒症状に加えて,致死性の間質性肺炎・肺障害を発症する点にある15)

SARSと同様に,50歳を超えると発症率・死亡率が上昇

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ネットで、実際に感染した人の文章を読むと、軽症扱いなのにとにかく肺が苦しいと綴られていました。個人的なイメージですが、喘息になったことがない人が、喘息の発作が起きているような感じになるのでしょうか。

8. COVID-19の肺炎の早期発見

COVID-19に感染した場合に備えて,肺炎を早期に発見するためには,毎日検温をして平熱を把握し,発熱のチェックをする。4日以上持続する発熱は鑑別できる発熱性疾患が限られ,COVID-19のサインと思われる。発熱後8日で呼吸困難が出る。

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いま、検温は当たり前になってきたと思います。そのおかげで、体温計がバカ売れですね。知人が買えないと言っていました。

肺活量低下による肺機能低下も危惧される。

COVID-19でも若年者の肺炎は死亡率が低く軽症であると早計せず,後遺症の予防において早期治療が重要である可能性がある。

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それでSpO2計測する指に挟むパルスオキシメーターを自分用にと母の日のプレゼントにしようとおもって買い物かごに入れておいたんですよ。3月にね。4月になってから買おうとしたら、5000円程度の商品が8800円に値上がりした上に在庫がないと書いてありました。

マスク、体温計、パルスオキシメーターが高額取引され始めている商品となります。もしかすると、病院で体温計やパルスオキシメーターがたくさん必要になったのかもしれませんね。

9. おわりに

本稿では,COVID-19は鼻咽腔でウイルスが確認されることを踏まえ,ヒト呼吸器コロナウイルスとインフルエンザの感染様式から,COVID-19の感染様式を推測してみた。

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SARSについて

2003年12月31日時点のデータによれば、報告症例数は、2002年11 月〜2003年8月に中国を中心に8,096人で、うち774人が死亡している。1,707人(21%)の医療従事者の感染が示すように、医療施設、介護 施設などヒト−ヒトの接触が密な場合に、集団発生の可能性が高いことが確認されている(表)。起因病原体特定のためのWHOを中心とした各国の協力と、古典的「隔離と検疫」対策を用いて収束がはかられ、2003年4月16日の新型のSARSコロナウイルス(SARS-CoV)特定に続き、7月5日終息宣言が出された。

https://www.niid.go.jp/niid/ja/kansennohanashi/414-sars-intro.html

この情報を見る限り、新型コロナウイルス対策は、SARSと同じですよね。密な場合にという部分が共通しています。SARSの感染者数をみてください。発生して10ヶ月程度で約8000人なんです。新型コロナウイルスの感染者数は2ヶ月であっという間に8000人を超えてますよね?

これが今回の新型コロナウイルスの特徴だというのです。

COVID-19累積感染人数予測

星友達のやおき氏が心配して、このようなものを作ってくれました。

【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移

こちらでも、推移をグラフで見ることができます。

【都道府県別】人口あたりの新型コロナウイルス感染者数の推移

だから、出歩かないでお家にいてください

私はこのウイルスを日本で早期にコントロールすることは十分に可能だと、今は考えている。この光を確かなものにするために日本に住むすべての人が今何ができるかを真剣に考えることが必要である。

 医学系研究科微生物学分野 

教授 

押谷 仁

https://www.med.tohoku.ac.jp/feature/pages/topics_217.html

できるだけ、お家にいましょう。胸躍る春がやってきました。でも、今はお家にいましょう。。。

#うちで過ごそう#StayHome

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